前期・器とペンダントライトを主に、後期・氷柱とガラスのインスタ
レーション。
2週に渡る高臣大介ガラス展が始まった。
人の出入りの合間を縫って、正面ガラス戸上部鉄枠に氷柱の苗床作り
に余念の無い高臣大介だ。
昨年展示時氷柱ばかり作る事に専念し氷柱が大きくならない事に気付く。
土壌となる雪に気付いた彼は今年は吊ったガラスの上部に雪を土のよう
に、苗床のように固めているのだ。
ガラス作家は、カルチャー(耕土)している。
この事に象徴されるように今回の展示は、作品ひとつづつがどこか豊饒
な気がする。
そしてタイトルは「重ねあう」。
個々の作品が、時間を空間を、掌とともに抱擁する力に満ちている。
15年程前千葉県より移住してきた高臣大介の、作品上における精神的
にも北の地に根を下ろした記憶に残る展示と予感される。
<重ねあう>とは、彼自身が洞爺に苗床を設け、光を受け咲く、人生の
吹きガラスを、凍てつく風土と重ね抱擁し、創り出している事実を指す。
そこに私は、今回の展示のトニカ(基調低音)を感じている。
*高臣大介ガラス展「重ねあう」-2月12日ー17日ー器を中心に
2月19日ー24日ーインスタレーション
am11時ーpm7時月曜定休。
テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
tel/fax011-737-5503