テンポラリー通信

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2018年 11月 15日

北の赤・南の青ーみちゆき(16)

沖縄で掌にモロッコ芭蕉の青い実を載せた写真を
見て、ふっと想い出した十数年前の登山。
その時撮った登山家Nの掌に載せた赤い野イチゴ。
ふたつの掌(てのひら)が、南の青と北の赤を
抱いている気がした。
指先ではなく、掌(てのひら・たなごころ)の
保つ世界力によって、赤と青、ふたつの実が輝い
て見えるのだ。

今週末沖縄から美術家豊平ヨシオさんが来る。
心の掌(たなごころ)で繋がった友人である。
”沖縄は、基地と観光だけです。作品はたくさん
あります・・・。ただ、ただ眺めています。見に
来て下さい・・・。”
この電話の声に促がされるように、初めての沖縄
へ二泊三日・正味一日の沖縄滞在に出かけたのは、
2009年2月の事だった。
それから10年。
今年4月末、沖縄美術館の吉増剛造展見学も兼ね
再度尋ねたのだ。
訪れた豊平さんのアトリエ。
そこには2009年2月と変わらぬ、青い地に縦に
亀裂の作品群が百余点、壁一面に掲げられていた。
私が頼み、尋ねてくれた映像作家石田尚志、詩人
吉増剛造、映像作家鈴木余位、花人村上仁美、それ
ぞれが声も無くただ、ただ黙って沈黙、立ち尽くした。
2009年には出来なかった私以外の人への回路。
それは今回の訪問で少しづつ開かれつつある。
そして百有余点全部は無理だが、札幌テンポラリー
スペースで、数点でも展示してみたいという夢を、
豊平さん自身が会場を下見して決める事となった。
雪の光の中で、あの青と亀裂の作品を抱きしめて
みたい。
その夢が今、あの掌(てのひら)の芭蕉の実の青の
ように輝いている。

来週から始まる藤倉翼のネオン写真作品展。
都市の闇に浮かぶネオンサインを、ひたすら撮り続け
ている写真家藤倉翼は、現在のLEDネオンではなく、
初期の職人手作りのネオン管の輝きに魅せられ、それを
真正面からひたすら各地の盛り場のネオンサインを熱写
してきた。
新しい作品は、ネオン管の部分に拘り、ネオン管その
ものが放つ作り手の掌のデテールに焦点を充てている
作品と思われる。
都会にも人の掌が生み出した都会の彩・哀がある。
南の島の美しい海の青と空の青をイメージした豊平ヨシオ
の深い青に亀裂の哀。
ネオンサインとは対極的な亀裂・哀。
滞在中案内する札幌ー石狩河口までの自然風景と都会
の彩・哀ネオンへの藤倉翼作品解釈を見、豊平ヨシオは
なにを感受してくれるだろうか・・・。
掌の彩・北の赤であれば、良いのだが・・・。

*藤倉翼写真展ー11月20日(火)ー12月2日(日)
 am11時ーpm7時:月曜休廊。
*峰艶二郎「遠いからお前が好きだ」ー12月16日(日)-19日(水)
*野上裕之個展ー12月下旬ー1月初旬
+佐々木恒雄展ー明年1月中旬。

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目斜め通り西向き
 tel/fax011-737-5503




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by kakiten | 2018-11-15 14:53 | Comments(0)


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