テンポラリー通信

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2018年 11月 09日

物語のかけらーみちゆき(14)

昨日終了したCONTEXT-Sのふたり展
塩谷直美・中嶋幸治「物語のかけら」。
初めて見た塩谷さんの、光を溜め、放つ光の泉
のようなガラス作品と中嶋さんの山を毎日駆け足
登山しながら湧くように出て来たという色彩のフ
ァイルの二人展。
CONTEXT-Sの旧木造アパートを部屋の壁
を抜きオープンに改装した空間に、見事に息づい
て見応えがあった。
特に中嶋さんの両掌に収まる本のような容器に
収められた色彩が見事だった。
テンポラリースペースで何度か作品を見ているが、
このように色彩自体を主に発表したのは初めてと思う。
内から湧き出た色彩を包む装本のような造りも含めて
掌(てのひら)と、たなごころ(掌)の合掌のようだ。
津軽より札幌に移住して10年余。
中嶋幸治の繊細な魂が、ふっと、ほっと、安住の位置
を作品として顕れた気がする。
寡黙な無色の半透明な小さいガラスの保つ光の内包力
と併せて、この二人展は、木造アパートの木の保つ
呼吸空間に、それぞれが深い呼気・吸気を重ねていた。
場と作品の稀有なる共同(con)空間。
喪われた共同生活空間(アパート空間)が、conー
temporaryなゾーンを創って、場として共存していた。
かって色んな人たちが、それぞれの生活を壁一枚隔てて
住んでいた古い木造アパート。
未知の人が一時溜まり、共有された<物語のかけら>。
それがこの二人展の作品で空間も甦っている。
同時代(contemporary)とは、大げさな
仕掛けのものではない。
こうした小さな「物語のかけら」があっての集積なのだ。
人と人の間と書いて人間という。
集団・国家の間ではない。
ひとり、ひとりの小さな物語のかけらが、同時代そのもの
の基底にある。
人と人、その作品が顕す物語、そしてかって12人が住ん
でいたという木造アパート。
個と共同の近代の原点のような場に、ふたつの個性が
まるでそれぞれが保つ物語が創った小さなかけらのよう
に共存していた。
コンクリートで隔絶された高層マンションでは、決して
生まれない人間の場が、昨品の呼応というコンテンポラ
リーな場の時空を顕在化していた。

忘れぬ内に書き留めておこう。

*HOPIカチーナ展in札幌ー11月9日ー11日まで。
 am11時ーpm6時:11日最終日午後5時まで。
 ;HOPI出版記念お話会ー11月10日午後2時半~
  11日午前11時=著者・天川彩。参加費1500円。
*藤倉翼写真展ー11月20日ー12月2日

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目斜め通り西向き
 tel/fax011-737-5503






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by kakiten | 2018-11-09 13:20 | Comments(0)


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