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2018年 10月 25日

風澄んでーみちゆき(6)

朝晩ストーブの火が恋しくなってきた。
しかし日中は晴れて、澄んだ秋空。
透明な空気に田村佳津子さんの画調が揺れている。
「ふわふわとひらひらと」。
新たに薄いレースに刺繍した大小の白い布が、1,
2階に吊られている。
外から入射する秋の光。
蔦の赤と緑の翳が陰影となって、作品すべてが
会場の空気の流れ、光を抱いて風のように揺れる。
ふわふわと ひらひらと・・。
朝・昼・晩、一日一日。
陽の沈んだ夜は照明の光が、また別の世界を顕す。
会場は、田村佳津子さんの心の湖となっている。
二階の奥の少し引き込んだ小さな押入れ跡の空間棚に、
色あせ古びた書物が並んでいる。
中原中也、埴谷雄高、田村隆一、金子光晴・・。
そして若い詩人文月悠光の処女詩集、山田航の処女歌集。
そして、手巻きのオルゴールが2,3個。
淡々としかし激しく過ぎた長い歳月。
変わらぬ社会と自然への視座。
白く透き通る風のような、硬質で透明な作品の密度。
ふっと立ち止まって、湖(みずうみ)の時を結んでいる。

夏の激しさも冬の激しさも、いっとき収斂する界(さかい)
のような北国の秋晴れの一日。
嫋(たお)やかに、濃く、ひとりの女性の生きざまが
そのまますっと立っているようだ。

*田村佳津子個展「ふわふわとひらひらと」-10月23日(火)-28日(日)
 am11時ーpm7時
*HOPI展ー11月9日(金)-11日(日)
*藤倉翼展ー11月20日ー12月2日

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目斜め通り西向き
 tel/fax011-737-5503




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by kakiten | 2018-10-25 14:49 | Comments(0)


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