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2018年 09月 18日

木と花・火とガラスーシジフォス(34)

3連休の一日、洞爺湖の高臣大介GlaGla工房に行ってきた。
洞爺湖町月浦、工房の東斜面にある通称ワイルドガーデン。
洞爺湖を望む斜面自然のままの庭の前に、テラスを設けたという。
その自然を活かす造園を花人村上仁美さんに依頼したという。
その話を聞いて、ああ、彼も千葉から移住して自身の故里・里山を
創ろうとしているなあ、と感じた。
これは立ち合いに行かねばならぬ、そう思った。
実は未だ私はゆっくり工房・住居の周りを見た事がなかったのだ。
十年以上前、彼の個展の打ち上げの勢いで深夜初めて何人かと訪れ、
朝早く帰ったのと、一昨年の結婚式に出席の際の2回だけだった。
今年子供も生まれ、ノバラと名付けた高臣大介。
自然ぞのままだったワイルドガーデンにテラスと庭構成を加える。
これも彼には大きな転機、生きている地への自耕土(カルチャー)
が試みられている、と思った。

やや斜面の土地に設置された白いテラス。
床の上には木の枠組みだけの屋根があり、そこから透明なガラス作品
「野傍の泉池」が2,3本組で十数組ぶら下がっている。
風に揺れて澄んだ音を奏でている。
緩い土の斜面が洞爺湖へ向かい広がっていて、ススキの長い穂が靡き、
名も知らぬ樹木、草花が揺れている。
花人村上仁美さんは、そこに15種類程の苗木・蔓・花を配置した。
コクワやキタコブシ等という。

移住し根付き、自分のランドを創っているなあ、と感じる。
太陽と土と植物を、自分の里山・古里のように耕している。
工房では自分の呼気(風)に拠る、火と水のガラス制作。
草木茫々の大地は、光と風の萌える木と草花。
彼は自らの等身大の故里を耕していた。
それは作品の為の自耕地でもある。
こうした個人の確たる行為の内にこそ、主体的な自立・自行がある。
高臣大介のライフワーク「ヌプサムメムー野傍の泉池」、伏流水の
湧く野の泉は、自らの工房・住居の敷地構造にも、再生されたよう
に思える。
泉の水滴は、彼の吹くガラス。
自宅・工房は野傍の自然。
愛娘ノバラとともに、彼の小さな故郷・ランド創生に立ち会えて、
何か励まされる幸せな一日だった。

*村上仁美×吉増剛造展「ハナビト ト 火ノ刺繍」-10月2日ー7日

 テンポラリスペース札幌市北区北16条西5丁目斜め通り西向き
 tel/fax011-737-5503

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by kakiten | 2018-09-18 15:12 | Comments(0)


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