テンポラリー通信

kakiten.exblog.jp
ブログトップ
2018年 09月 04日

&(アンド)という×1(架ける位地)ーシジフォス(29)

ケン&アヤー名での個展を望んでいた私にとって、ふたりの原点
となる欧州行、稚内ーサハリン経由のシベリア横断ー欧州に至る
彩子さんの書いた旅日記・写真の公開出版はずっと気になっていた。

思いあぐねて交流あるK出版社のTさんふたりに話をした。
これまでも大野一雄石狩河口公演記録や夭折死した村岸宏昭
遺作集にも全面的に協力し出版してくれた過去があり、今回
も発行・発売元を引き受けてくれた。

私がケン&アヤ名での個展で拘っていたのは、札幌から欧州へ
の道程、稚内ーサハリンーシベリアを経由して行ったふたりの
勇気と決断の旅の記録を同時に公表する事だった。
(&)とは同時に自己と他者を繋ぐ(志)、架ける位地(×1)
の事だと思うからである。
札幌から欧州へ。
その道程のほとんどが陸の道である事を選んだふたりの勇気、
そしてその道程を貫き通した行動力。
そこには二人を結ぶ強い(架ける位置=×1)があったからだ。
男女平等という民主主義の大基本には、差別・区別に陥らせない
<架ける位置=×1>の<志>の共有が在るからだ。

バッハを終生愛したモダーンジャズピアニスト・ジョン・ルイス。
彼は人種差別とクラシックージャズのジャンル差別に抗して
最晩年奥さんのチエンバロ奏者ミリアナとふたりで、バッハの
ゴールドベルク変奏曲を演奏し世に遺している。
そしてそのジャケットには、ジョン&ミリアナ=ルイスと記され
ている。
また梱包芸術のインスタレーションで著名なクリスト・クロードは、
社会主義圏国家からアメリカに亡命し、奥さんのジャンヌとともに
様々な場所で建物・島・橋等に梱包芸術を展開した。
それらの作品は、クリスト&ジャンヌ=クロードの名で公開
している。
ここでも社会的・歴史的差別を超える<架ける位置=×1>が
梱包という容(かたち)で作品化し、作者名にも反映している
と思う。
2×1=2の<×1>とは、コンセプトであり、思想であり、
民主主義の根であると思う。
男女平等という民主主義の大基本。
それは違いを白紙にする事ではない。
違いは違いとして閉じず、違いが開き、共有する<架ける位置>
を顕す事。
最も人間的な思想的営為の位地なのだ。
誰にでもすぐに出来得る事ではない。

私は谷口顕一郎と彩子のふたり名の個展には、原点として
あの稚内ーサハリンーシベリアー欧州への旅の記録を是非公開し
て欲しいと念願している。

このふたりの故郷・札幌から世界へ架けたふたりの位置の記録を。

*宮腰麻子展「Je sais mon」-9月9日(日)まで。
 am11時ーpm6時
*村上仁美×吉増剛造展「花人ト火ノ刺繍」-10月2日ー7日

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目斜め通り西向き
5丁目斜め通り西向き tel/fax011-737-5503

[PR]

by kakiten | 2018-09-04 14:25 | Comments(0)


<< 人間尺度の忘却・磨滅ーシジフォ...      展示・その後ーシジフォス(28) >>