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2018年 08月 28日

展示・その後ーシジフォス(28)

400人を超える人たちが留まった12日間。
作品が搬出された後、がら~んと白い壁。
作品の呼気と人の吸気が埋まっている。
この埋もれた白い背中の時間も、この場の宙の時。

2階吹き抜け廻廊の長椅子あるいは床に座り、床を
抜いた吹き抜けからの眺めを楽しんでいた人たち。
腰を下ろすと空間の保つ尺・寸の身体尺度が甦る
のか、みんな長居していた・・。
6畳間の畳床が抜けて、天井から今も裸電球が電灯
コード・スイッチとともにぶら下がっている。
六畳で三坪の世界、ちゃぶ台置いて一升瓶傍らに
お酒を飲んだ時もあったのだろうか。
床を抜いた吹き抜けには、見えない一坪(3・3㎡)
一升(1・8ℓ)が漂っている。
空白の吹抜けに漂う長い歴史の身体尺度。
身体の奥の何かが目覚めて、坐っていた人たちも
きっと一緒に、漂うモノに心身を任せていたのだ。
今は無い斉藤周さんの実家住居。
その家屋の記憶と共に、ある時代までの人間尺度が
時代を超え響き合っていた。

身体ひとつにも、積み重ねた時の記憶が埋もれている。
何もない白壁ひとつにも、重ねた記憶が沈んでいる。
時に一枚の絵画が、その記憶の扉を開くのだ。
天井が抜けた吹抜け。
それを繋ぐ梯子、階段。
剥き出しになった梁、屋根、家屋を支える太い梁木。
訪れた人の身体の記憶、受け入れた場所の構造の記憶が
呼気・吸気のように、埋もれた同時代の息を生んでいた。

斉藤周展「継ぎ」搬出一日後の、呟き・・・。

*宮腰麻子展「Je sais mon」-9月4日(火)-9日(日)
 am11時ーpm6時
 
 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目斜め通り西向き
 tel/fax011-737-5503



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by kakiten | 2018-08-28 14:09 | Comments(0)


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