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2018年 06月 27日

ふっと、沖縄ーシジフォス(4)

何となく沖縄・豊平さんに電話する。
疲れていたようだ。
20年近く、現在も進行中のあの作品を創り続けて
芸術系の人とは誰にも会わず、過ごしていた時間。
そこへ私の紹介で作品群のあるアトリエに石田尚志他、
さらに吉増剛造が単独で訪れて相当精神的に疲れたの
だろう。
中森さんと会うのと違って、疲れたわ・・、と言う。
米軍キャンプ地から出た沖縄には本来ない素材。
それらを構成して現代の御嶽のように造形し、空間を
創っていた1990年代。
そこから青い海と空に深い亀裂の浮き上がる、ただ
それだけの百余点の板画作品群。
伝統の世界、アートの世界のどれにも属さず、沖縄
独自の純粋な風土の彩(いろ)の深味と亀裂だけで
構成された傷痕の純粋形象の現代美術。
父方の政治経済回路、東京芸大の美術回路そのどちら
も閉じて、ひたすら自らの沖縄の心を、魂を彫刻し
続けてきた。
その作品は現代沖縄の最前線、と私は思う。
そこへ映像と現代詩の最前線のふたりが訪れ、ジャンル
ではない表現に生きる3人の最前線が呼応したのだ。
良い時間だが、孤絶してひたすら刻んできた孤独な場所
で、それはその後どっと疲れもでるだろうなあ。

ふっと電話したくなったのは、その疲れを解す見えない
誘いがどこかで呼んでいたからかも知れない。
最後に”今週末まで手紙とゴーヤ、パッションフルーツを
送ります”と・・・。
嬉しそうだった。

*八木保次 遺作ガッシュ展ー6月26日ー7月8日
 am12時ーpm7時:月曜定休(水・金午後3時閉廊)
*チQ展ー7月10日ー15日

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
 tel/fax011-737-5503

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by kakiten | 2018-06-27 14:16 | Comments(0)


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