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2018年 06月 24日

石仏とメキシコーシジフォス(2)

かりん舎の坪井けい子さん企画のポンのり子陶板展
を見に行った。
先日この会場で坪井さんの朗読会があったのだが、
作品だけをもう一度ゆっくりと見たかった。
先日東京の正木基さんが最近の仕事として送ってく
れた石仏写真家佐藤宗太郎のメキシコ・ハラバ展に
感動していたので、ポンのり子さんのメキシコにも
興味惹かれたからでる。
1944年室蘭産まれというこの女性が、何に惹か
れメキシコに渡ったのか。
それは同時に正木氏が何故メキシコで佐藤宗太郎の
「石仏の美」展を開いたのか、と問う事と同様の興味
あったからである。
会場の喫茶エスキスのマスター中川洋史さん・美奈さん
は、村岸宏昭追悼本編集以来の仲なので、特別にポンのり
子さんのNHK制作の特集番組映像を見せてくれた。
そこでは石の彫刻の他に伝統的な土地柄の仕事を続けて
いるメキシコ国内の様々な地方(国)が登場する。
日本でいえば、国内の色んな地域・お国のようなものだ。
面白かったのは、貝紫の染色である。
二十万個の小さな貝から分泌される腋で染まる貴重な
紫で染色された布は、かってエジプトのクレオパトラや
中国の楊貴妃にも愛されたという。
しかし生産地では今も普通に腰巻きに利用されている。
この差異が面白かった。
生産地の自然から昇華する彫刻・色彩。
土地の様々なエネルギーが様々な作品に昇華してゆく。
このメキシコの自然と共生するランドパワー。
そこにふたりが惹かれていった事が理解できたのだ。
今地球の各国が経験しつつある現代の都市文明が見失って
きた、自然の土壌とともに生きる人間の国(ランド)のエ
ネルギーがポンのりこさんの目線とともに映像で感受された。
名キューレーター正木基氏も日本の無名の石仏が保つランド
としてのエネルギーをメキシコでクロスさせたかったのだろう。

経済的・軍事的・政治的にも近現代は、国家を基準として、
人間を大地自然から切り離し区分・差別され、経済的・政治的
・社会的インフラによって人とランドの疎外化が進む。
安心・安全という名の下、軍事・経済集中・一極社会が近代
化というインフラ過剰で地球が覆われつつある。
国家という単位ではなく、自然を基底とするランドの精髄が、
正木氏とポンのりこさんのメキシコの基点だった気がする。
日本近代と自然が150年の内に接する北海道。
その大地に生まれたポンのりこさん。
野の石仏を宗教や自然風景の一部ではない独自の視点で、
石の保つ自然との交点として撮らえた写真家佐藤宗太郎の
「石仏の美」をメキシコに運び展示した正木基氏の仕事は
ともに現代に対峙する最前線の力業だった気がする。
そしてその最前線位置に北海道というランドの位置も見える
気がするのだ。

 最前線にして最後部 背後には黒々と街の火

*八木保次ガッシュ展ー6月26日ー7月8日。
 am12時ーpm7時:月曜定休(水・金は午後3時閉廊)
 ご遺族から寄贈された遺された膨大なガッシュの一部を
 まとめて展示致します。
*チQ展ー7月10日ー15日

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
 tel/fax011-737-5503



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by kakiten | 2018-06-24 19:27 | Comments(0)


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