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2018年 06月 17日

<ふたたび・・>の、ある到達点ーサッポロ・ランド(21)

okinawa gozoの名入りで那覇から
今年8月11日ー9月24日開催の東京・松涛
美術館吉増剛造展オープニングの招待状が届いた。

2011年12月「石狩河口/坐ル ふたたび」
から始まった吉増剛造の3・11を契機とする
戦後近代への果敢な挑戦は、この松涛美術館の
個展を以ってひとつの大きな節目を迎える、と
感じている。
翌2012年12月「ノート君ー古石狩河口から書き
始めて」2013年12月「怪物君」2014年12月
「水機ヲル日、・・」2015年12月「怪物君、歌垣」
2017年5月「火ノ刺繍乃ru=道」(以上テンポラリ
ースペース)。
そして2016年6月東京国立近代美術館「声ノマ」
2017年7月札幌国際芸術祭北大総合博物館「火ノ
刺繍-石狩シーツの先へ」同年11月足利市立美術館
「涯の詩聲」2018年4月沖縄県立美術館「涯の詩聲」
と続いて来た連続展の節目なのだ。
それに呼応するように2016年「我が詩的自伝」
(講談社)2017年「根源の手」2018年「火ノ
刺繍」(響文社)等が相次いで出版されている。
「我が詩的自伝」はインタビュー形式の肉声の語り
の自伝であり、「根源の手」は、吉本隆明に対し自ら
を「没後の門人」と位置付け、戦後の思想的巨人吉本
隆明を徹底的に検証した画期的な書である。
特に吉本隆明26~27歳に書かれた最初期の詩編
「日時計篇」筆写草稿は、2012年以降の展示の
主品ともなっている。
「火ノ刺繍」は3・11を挟む2008年から2017年
まで10年間の未発表の対話等を厚さ6㎝、1242頁の
大冊に収録されている。
端緒となった2011年のテンポラリースペース最初の
個展「石狩河口/坐ル ふたたび」を考慮すれば、吉増
剛造自身が時代の現在を見詰め直し、生きて来た時代と
の関わりを、洗い直す<ふたたび>である事が窺われるのだ。
よく言われる現代詩のトップランナーとして、自身がその
スタートラインをもう一度根本から見詰め直し、スタート
ラインを轢き直していると思える。
その一連の連続した仕事の、ーふたたびーの位相のある
到達点に8月の松涛美術館展の位置がある。
この間コアともなったテンポラリースペース展示に関わった
全ての友人たちにも直筆の招待状が送られた事は、なにより
もその証左と思える。
吉増剛造の表現者としての最前線に、最後尾の現役同志が
招かれている。
互いの労を労(ねぎら)い、シジフォスの山頂の一時(いっ
とき)を共に過ごす為にだ。

そんな気がしている。

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
 tel/fax011-737-5503




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by kakiten | 2018-06-17 14:11 | Comments(0)


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