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2018年 06月 07日

モノ・物ーサッポロ・ランド(16)

久しぶりに沖縄の豊平ヨシオさんに電話した。
この午後来沖中の吉増さんの電話待ちだったと言う。
先月末沖縄美術館吉増展を見に行った。
そして「怪物君」「詩学講義」今展示の図録等を
購入したという。
なにかふたりが触れ合いつつあるようで、心が熱く
なった。
様々なイヴェントを展示中抱え多忙と思うが、それを
超えてふたりはきっとあの作品の前で出会うだろう。
米軍基地の記憶を抱えるふたりの青春、ふたりの戦後
があの青と亀裂の百余点に照射される。
そして豊平さんに話した。
10点で良いから、いつか札幌の雪明り漂う頃、展示
させて下さい・・と。
あの青い亀裂を白い雪の漂う光で包(くる)みたい
から、そう伝えた。
そしてその前に、吉増剛造の「怪物君」の赤を、と
イメージする。
この思いは、沖縄で戴いた芭蕉の種の青と以前北の山
で採取した野イチゴの赤い実にあった。
モロッコ原産という沖縄の芭蕉の青い種。
それを掌に置いて写した写真に触発され、札幌の山
で採った野イチゴを掌に載せた写真を思い出し2葉
並べたのだ。
北の赤、南の青。
これが掌の柔らかい暖かさに宝石のように輝いていた。
掌(てのひら・たなごころ)に包(くる)まれた自然の
実・種。
着物・書物・食物・宝物・怪物・・実も種もモノだ。
この写真2葉は、会場にそっと飾りたい。
そう思っていた。
戦後近代を象徴するふたつの場所の軍事基地。
普天間・横田。
他国からの侵略に備える、自国<安心・安全>の基地。
明治・大正の近代化は、鬼畜米英で原子力爆弾を招き
ノーモアで終息した。
戦後民主主義の近代化は、安心・安全の原子力発電で
第二のノーモアを経験しつつある。
近代の未だ見えざる包む掌(てのひら・たなごころ)を
取り戻さねばならぬ。
豊平ヨシオの百余点の鮮烈な青と亀裂は、皸(あかぎれ)
の掌(たなごころ)のように、それを訴えている。

*八木保次素描・ガッシュ展ー6月17日まで。
 am12時ーpm7時:月曜定休(水・金午後3時閉廊)

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
 tel/fax011-737-5503


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by kakiten | 2018-06-07 14:05 | Comments(0)


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