ここ半年、栃木・足利市立美術館、沖縄・那覇県立美術館
それぞれの吉増剛造展に駆り出される旅が続いた。
初めての栃木・足利市、約10年振りの沖縄・那覇。
初めての栃木では新鮮な里山経験。
沖縄では10年振りの作家と作品の再会、そして中グスクの
城址跡探訪。
透析治療の合間を縫って、深い経験の旅だった。
南の島と東北のふたつの文化のコアを、人と作品、街道の
道筋に極めてラデイカルに感受させてくれたのだ。
表に顕れぬ、場所・作品・人そのものが保つ最前線の存在力。
栃木の近代以前の道と都構造。
沖縄の近代以前の城・家構造、そして戦後モダニズムの
最前線で孤立し描き続ける美術家。
吉増剛造展が呼び水ながら、私はそれとは別に、旅が独自に
保つ深い世界に触れる泉と出会っていたのだ。
勿論吉増剛造展がその土地と触れる新鮮な会場構成であった事
も大きな収穫ではあったのだが。
しかし丘の上のアトリエで10年前と変わらぬ沖縄・豊平ヨ
シオさんの作品群は、美術館にも勝るとも劣らぬ彼・沖縄の
孤高のランド(くに)であった。
今週没後7年目の八木保次・伸子展を終え、つくづく作品
とは時空を超え瞬く星のような存在と思う。
日常の重荷を押し上げ登るシジフォスは、ふっと束の間
重荷から解放される頂きの一瞬。
その頂きに瞬くのが、作品という星のランドだ。
そして再び繰り返す裾野の日常から押し上げるシジフォスの
苦力。
どこかでそんなシジフォスと重ねながらいる自分の今を感じる。
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