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2018年 05月 15日

海が見えるーサッポロ・ランド(3)

ふたりの建築家夫婦の新しい移転場所を先日見せてもらった。
今展示中の八木保次・伸子さんの家近く、小別沢トンネルを
過ぎて奥へ下り盤渓川に近い柔らな斜面の奥。
沢に近く下流に開かれた場所だった。
盤渓川さらには発寒川へと広がる空間に遠く石狩の海が見える。
源流域から一気に石狩の海まで望む事が出来る不思議で稀有な
処だ。
冬は雪で大変と思うが、若い建築家夫婦には、新たな挑戦の
場所として相応しい感じがした。
本業の建築設計の外週末は量り売りの店トロッコも運営している
ふたりは、札幌の自然風土を大事にして、生活・仕事の基準を創
り生きる事を考えている。

翌日八木保次・伸子さんの展示を終え、ほっとしていると
不意の来客。
なんと東京の正木基さんだった。
昨年の栃木・足利美術館吉増剛造展以来だ。
相変わらず意欲的に世界中を飛び回り、素晴らしい企画で展示を
コーディネートしている。
最近の仕事は日本の石仏をメキシコの石像とともに見せたものだ。
佐藤宗太郎という長年に渡り日本各地の石仏を撮り続けてきた
写真家の作品とメキシコの石像文化を対比させ見せたのだ。
無名の作者に拠って民衆と共にある石像文化。
文化の裾野から問う新たな視座の試みである。
そして今回の札幌は、明年の道立近代美術館での深井克美展の
準備の為という。
正木基が1980年代発掘した夭折の画家深井克実。
その再度の展示を今喪われつつある深井の画業の保存と再照射
の為に自らがもう一度この企画を立ち上げたのだ。
NHK日曜美術館での放映もあるという。

1242頁の大冊、吉増剛造「火ノ刺繍」が発行される。
重さ1・5kgもあり、広辞苑のような重さ・厚さだ。
その記念トークイヴェントが一昨日・今日と行われ、その前日
本人の来廊もあり、慌ただしい。
先ずは本人の希望で、2011年からここでの吉増展に関わっ
た数人の友人たちとの会。
そしてトークイヴェント出席の為訪れた浪江出身の原田洋二
氏を迎えての集まり。
原田氏はちょうど1年前初めてここを訪れ、男泣きで号泣した
福島県浪江出身の純な人だ。
生まれ故郷浪江を出て、3・11以降故郷の為にひとり奮闘
している。
故郷を離れていた為、原発事故当事者ではない今の状況を
心底悩みつつも故郷とのその落差を如何に乗り越え故郷を再建
するかと真剣に悩み闘っている好漢なのだ。
その原田氏が吉増剛造と出会い何かが救われ、その救済の意味
を今も問い続けている。
そして昨日は吉増さんの「石狩シーツ」の故郷、石狩へと赴き
興奮して帰京前のひと時訪ねて来た。

吉増剛造とともに、小さな春の嵐が吹いている。

*八木保次・伸子展「彩」ー5月20日(日)まで。
 am11時ーpm7時:月曜定休:水・金午後3時まで。
*及川恒平×山田航ライブ「麦」-5月20日午後5時開演
 予約参加費2500円

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
 tel/fax011-737-5503


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by kakiten | 2018-05-15 16:04 | Comments(0)


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