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2018年 03月 03日

春傍らにー紡ぎあう(16)

猛吹雪の日が過ぎて、少し暖気に緩んだ雪山と路面。
鈴木余位・村上仁美展「ふたたび 花傍らに」も第1週が過ぎる。
初日朝まで徹夜で展示作業を続け、夕刻吉増剛造氏来廊。
ふたりの展示の大きな力となった詩人の来訪に緊張しながらも
嬉しく迎えた初日の夕刻。
本人たちも初めてゆっくり見る、映像が鮮明に浮き上がる夕刻
から夜へのひと時。
吉増さんは、祝いに自ら持参のシャンパンに頬染めながら上機
嫌で語り続けている。
刻々変わる光の変化、吹き抜けを見上げ2階に突っ立っている
樹の幹・枝に充つ夕光の動きに感嘆の声をあげる。
幹の根を留めた水盤に敷かれた真っ赤な花びら。
そしてそこから吹き抜けを駆け下る絹の糸。
その銀の絹糸に、「石狩シーツ」の一節

 「空からぶらさがる母親」は、火の神獣の母の織姫の父の
 ヴィジョンであったのかも知れなかった。・・・
 母鯨が、そっと呟く
 皴(詩は、・・)
 ”静かな死、・・・・”

を呟いている吉増剛造がいる気が、ふっとした。
昨年末足利美術館個展最終日近く母上悦さんを亡くされた事と
併せて、木霊(こだま)する宙(そら)の時間を感じていた。

点滅する炎の映像に織姫の絹糸・天の赤い花片、地の白い花片。
カタカタ鳴り響く、フイルムの機械音
吉増剛造の幾行かの詩の一節が、この時間には流れていた。
この日の為に来札した吉増剛造とともに、今回秀逸な案内状を
制作してくれた中嶋幸治君の立ち合いも含めてふたりには特別
な一夜だったと記憶する。


*鈴木余位・村上仁美展「ふたたび 花傍らに」-3月11日まで。
 am11時ーPM7時
*秋元さなえ展ー3月20日(火)ー25日(日)

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
 tel/fax011-737-5503

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by kakiten | 2018-03-03 13:57 | Comments(0)


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