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2018年 02月 13日

天地繋ぐ氷柱ー紡ぎあう(10)

高臣大介ガラス展最終日前夜、絶対音感の北大生K君
が来て、尺八を吹いてくれた。
ポップスからもののけ姫、伝統的な尺八曲まで、ガラス
の光の林の中を風のように尺八の音が流れた。
その間もせっせと外の氷柱に水を点す高臣大介だ。
そして翌日最終日、見事に玄関入口の氷柱は地上に
達した。
天地を繋いだ氷の柱。
千葉から移住した高臣大介十余年の命の根のようだ。
2週間の会期、最後の一日に彼の氷柱は地に届いた。

無色透明なガラス制作で勝負をしてきた彼には、この
北の地で鮮烈な印象を以って対峙するかのように存在
した氷柱は、きっと大きなガラス創作上のテーマ・目標
だっただろう。
今彼は彼の生き方全てを通して、この氷柱に匹敵する
自らの拠点を育てつつあると思える。
2012年泉に触発され創った透明なガラスの房「野傍
の泉池」は、今水を纏い、氷衣を着て、すくっと天地を
繋いで立っている。
自らの分身・身体ともいえる作品に氷柱を着せたのだ。
もう氷柱は対峙するものではない。
移住と移民とかは、ただ移る事ではない。
己の生き方という身体尺に風土を着こなす身体行動
でもあるのだ。
そのように数多くの先人たちも、さまざまな大地に生き
抜いて来たのだ。
自然と対峙し、開墾し、耕土し己の里・郷を創って来た。
高臣大介の今回の個展は、そうした真っ当な生き方、
創作の過程がtransーparent、函となり、
源となって透んであった。

最終日夜、私は透析治療で出られなかったが、酒井
博史さん恒例の歌声、大介さんとのデユエットと午前
2時まで盛り上がったという。
透明なガラスの光と影の林、そして触れて響く音。
流れる歌声、集った人の熱気。
もう融けない心の氷柱群。
北の地発、透明な函舟出港の夜であったのだろう。

*鈴木余位・村上仁美展「ふたたび 花傍らに」-2月27日
 -3月11日
*秋元さなえ展ー3月20日ー25日

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
 tel/fax011-737-5503


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by kakiten | 2018-02-13 12:07 | Comments(2)
Commented at 2018-02-13 13:27
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by kakiten at 2018-02-13 13:52
ありがとうございます。
今月末から映像の鈴木余位・村上仁美展が始まります。タイトルは吉増さんで、2011年から始まった「石狩河口/坐ル ふたたび」展の
傍らで深く併走してきたふたりの旅立ちの展示
となるでしょう。初日二日吉増さんも来廊予定です。その折り差し上げたいと思います。
私も手元に保管したいので、よろしくお願い致します。4月ケンちゃん来たら彼にもと思っています。10葉くらいよろしいでしょうか・・・。今日終わった高臣大介展、入口に泉のガラス房を吊り氷衣を着せました。千葉から来て十余年。透明なガラス作品だけで勝負して来た彼を象徴するようなインスタレーションでした。自らの身体に風土を着る
行為だったと思います。着尺でしたね・・。妹さんの個展を想い出していました。お体調子よくなったらまたお出掛け下さい。


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