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2018年 02月 06日

路傍の泉池ー紡ぎあう(7)

高臣大介ガラス展「紡ぎあう」後期スタート。
雪降る夜が明け、晴れ渡った朝。
入口軒下に吊るした二本の野傍の泉池(ヌプサムメム)
が一本になって、下にもう一本が突き刺さっている。
吹き付けた氷の重さに落ちたという。
天地上下、氷とガラスが鋭く立っている。
これはこれで良い。
会場は野傍の泉池のガラス房が幾つも上から束になっ
て林立し、揺れている。
そして幾つかの円盤状のガラス板が光を通して影の明
暗を壁に奏でている。
吹き抜け2階に上がると、階下のゆらゆら揺れる
「野傍の泉池」と上の「野傍の泉池」が暖気の風に
揺れて光と影が描く小さな泉のように感じる。

2012年サクシコトニ川源泉のヌプサムメム
(野傍の泉池)で挑戦した高臣大介のガラス作品が、
ここで再生された気がする。
泉の雫から泉の池へと。
都市の高層化とともに消えた琴似川の源泉のひとつ。
当時の地形と建物を今に残す旧偕楽園緑地跡清華亭。
その庭に立つ春楡(エルム)の巨木。
かって鮭が遡上し、明治期養殖場もあったという。
その水豊かな地質に立つハルニレ、エルムの森。
エルムの都と呼ばれた札幌。
そしてエルムの学園と呼ばれた北海道大学。
植物園ー伊藤邸ー清華亭ー北大構内と繋がる広大な
緑のゾーンは、大倉山ジャンプ台から見ると墓石の
ような高層ビル群の内にくっきりと緑の運河のよう
に確認できる。
その緑の運河エルムゾーン傍、小さなギャラリーに
ガラスの光と影の揺れる泉池が、今誕生している。

人は自然の猛威・野生と対峙し故里という共生する
自然を創って来た。
それは自然との戦い・対峙から、自然と共生する里・
郷の創造でもあったのだろう。
その共生が今喪われつつある。
この時人はひとりで、何が出来得るか。
ガラスを素材とするファインアート作家が6年かけて
出したひとつの夢の成果が今、野傍ならぬ路傍の泉池
としてここにある。

*高臣大介ガラス展後期「紡ぎあう」-2月6日(火)ー12日(月)
*鈴木余位・村上仁美展「ふたたび 花傍らに」-2月27日ー3月11日
*秋元さなえ展ー3月20日ー25日

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
 tel/fax011-737-5503


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by kakiten | 2018-02-06 13:57 | Comments(0)


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