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2018年 02月 03日

大介の泉池ー紡ぎあう(6)

毎日せっせと水を降りかけている「野傍の泉池」
軒下の二本のガラス房。
とうとう氷がガラスを覆うようになった。
その間彼が学んだ事がある。
軒下の氷柱は屋根の雪が水源だ。
そこも創らなくては、という発想である。
野上裕之さんの創った鉛の看板にも雪の塊りを
くっ付け霧吹きで水を注ぐ。
すると寒気・暖気交互の日々の温度差でガラス
の房は氷で包まれるようになり、ガラスの房を
氷の房が抱きしめるように包んできた。
氷の水とガラスの抱擁である。
千葉から移住して来た当初、戸惑いとともに
見詰めていた氷柱。
透明なガラス制作を志し、自然の当たり前に
吊り下がる軒下の氷柱に感じたある当惑。
さらにガラスは夏のもので、冬には向かない
という先入感。
そこで冬の氷柱と勝負する気持ちで、敢えて
数百本冬場に制作し窓の氷柱と勝負した十数年
前の器のギャラリー中森。
さらにここでの札幌の原風景、清華亭庭春楡の大樹
脇の枯れた泉池傍で、「ヌプサムメムー野傍の泉池」
を制作し、地の底から湧き出る水の変わらぬ生命力
を自らの生きる力に重ねた経験。
それらが今、異郷の氷柱が対峙するものではなく
抱擁する愛力としてガラスの氷柱を抱擁し一体と
なって夕暮れの光に煌いている。
ガラス戸の内側に3年前制作の「野傍の泉池」
さらに内側には昨年フランスで制作した「野傍
の泉池」。
外に見える氷が衣装のように抱擁し刻々変化する
二本の「野傍の泉池」。
この3っの作品が時を超えて夕陽の光に煌くさまは、
本当に美しい時間である。
ヌプサムメム「野傍の泉池」-高臣大介の”泉池”
が湧き出ている。
人が風土・自然とともに生きるという事。
そこに小さなカルチャー(耕土)、小さなランド(耕野)
が生まれているような気がする。

*高臣大介ガラス展「紡ぎあう」-前期2月4日まで。
 後期2月6日ー12日(月)まで、
*鈴木余位・村上仁美展「ふたたび 花傍らに」-2月27日
 -3月11日。
*秋元さなえ展ー3月20日ー25日

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
 tel/fax011-737-5503


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by kakiten | 2018-02-03 17:26 | Comments(0)


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