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2018年 01月 14日

銀河鉄道・剛造ー栃木・足利の旅(8)

足利市立美術館は足利市の都心、この界隈には珍しい
高層マンションと思しき建物の正面1、2階に在った。

50年を超える吉増剛造の詩作活動。
その代表的な詩集を時代順に初版本・草稿を展示し、
1989年代から始まる詩行を打刻した銅板、199
4年に夕張で生まれた多重露光写真も並ぶ。
そして作者に影響を与えた古今の詩人・作家・画家等
の実品も纏めて2階に展示されていた。
良寛、蕪村、芭蕉、浦上玉堂、石川啄木、滝口修造、
萩原朔太郎、若林奮、吉本隆明、高村光太郎、芥川
龍之介他総勢31人。
いずれも時代を超え吉増剛造に直接影響を与えた作家
たちの作品・手紙・写真・書・草稿等である。
個人的には高村光太郎の「手」の彫刻(これのみ1階
会場正面)、吉本隆明の詩集「日時計篇」直筆草稿を
見れたのがラッキーだった。
また浦上玉堂の画の実物の凄さ、良寛の書、島尾敏雄
とミホの交感書簡・葉書にも魅かれた。
詩集「黄金詩篇」の1960年代から2010年代今年
「怪物君」まで、それぞれの時代を代表する詩集本と
その草稿、そして多重露光の写真・詩行を打刻した銅板
・GOZOCINEの映像等が会場の流れを造っていた。
先に挙げた歴史的にも著名な作家たちの作品は、吉増剛造
の生きてきた時代の停車場、心の駅のように、珠(たま)
となってある。
吉増剛造の生きる同時代という銀河が、そのひとつ、ひとつ
の珠を繋いでいる。
古今の天才たちの断片が同じ磁場宇宙で瞬く、珠のひとつ。
この会場構成は、私の通った南那須大桶ー足利の道の究極の
産地直販所。
美術館は道の駅だなあ。
剛造銀河鉄道、道の駅。
そして剛造数珠宇宙を繋ぐさまざまな珠と同時代という糸の輪。

2011年12月「石狩河口/坐ル ふたたび」から始ま
った吉増剛造の道程は、ここ足利でひとつの宙を結んだ。
そして今年4月の沖縄美術館、その後の東京東涛美術館で
その輪・宙はさらなる膨らみを増す事だろう。
札幌の北の場末の小さなギャラリーから発した河の光は、
吉増剛造究極の産地直販所として、紡ぐように大きな輪、
大きな数珠となって宙に映え、先人アイヌの伝える石狩神話
のように川は天に映り銀河となっていくのかも知れない。

最終日トークに招かれた私は、銀河の浮かぶ空の位相を近代
と措定し、その道程を南阿蘇大桶ー足利の道に学び、話した。

*高臣大介ガラス展「紡ぎあう」-1月30日ー2月11日
*鈴木余位・村上仁美展「ふたたび 花傍らに」-2月下旬~

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
 tel/fax011-737-5503



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by kakiten | 2018-01-14 16:39 | Comments(0)


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