人気ブログランキング | 話題のタグを見る

テンポラリー通信

kakiten.exblog.jp
ブログトップ
2017年 12月 12日

栃木・足利へー最前列にして最後尾(38)

カテーテル検査やシャント手術やらで、一日入院が
2度も続き急な寒気もあって体調を崩していた。
週に3度の透析治療も加わって、体力が落ちている。
そして今月24日の足利市立美術館での吉増展の招待
トークセッションに備えねばならぬ。
ひとりの偉大な作家の大きな節目。
何時の間にかそこに立ち会い、添っていた。
私は百十余年の祖父・父から継承した札幌の地を、自分
なりに自分の時代の底で掘り下げて根付く努力をして
いただけに過ぎない。
1981年都心の父祖の地を離れ、円山郊外に職場と居
を移動し、そこで発見した札幌という身体の血管のよう
に感じた暗渠の川ー界川を辿り、源流へ河口へと自耕した。
それは自分の産まれた地の再構築、カルチべートの試み
だったと思う。
その試行の中で出会ったひとりが、吉増剛造だった。
彼は彼の生まれた地から、奥多摩、福生、横田基地等を経て
1991年石狩河口「石狩 みちゆき 大野一雄」公演で出
会ったのだ。
そして翌年ブラジル滞在。
ある深い悩みを抱き2年後帰国。
1994年「石狩河口/坐ル」ー長編詩「石狩シーツ」誕生。
2011年「石狩河口/坐ル ふたたび」ー3・11以降を
模索する制作。「怪物君」「火の刺繍」・・・。
この2度重ねられた<石狩河口/坐ル>に吉増剛造の真摯な
生の起点が宿っており、私はその過程のほんの一部に立ち会
っているに過ぎない。
今回招かれ用意されたトークセッションのテーマ「札幌の
古・水・道(フシコ・ワッカ・ル)」は、正に私自身の基点
を指している。

大きな宇宙を包含する銀河のような吉増剛造と名もなき
暗渠の見えない川界川のような私とが何故栃木県足利市
立美術館個展最終日に出会うのか。
それは節目節目に立ち会ってきた友への、友情の要請と
私は思う。
多分ある大きな節目、多分ある大きな旅立ち、その宇宙に
立ち会うように呼ばれている。

私は私の素のままに。
私は私の少しだけ抱けた自分の故郷の宇宙を胸に。
そこできっと少年のように、それぞれ多摩川、界川で見
つけた宝物の小石を見せ合うように出会うのだろう。
そんな予感がする。
剛ちゃんの伏古(籠)・水・道の宝物と僕のそれとが・・・。

*高野圭吾詞画展「歌ごとに生きて」-12月16日(土)-19日(火)
 19日午後1時~ギャラリートーク 峰艶二郎(日本のシャンソン研究家)
*岡田綾子展ー1月2日ー7日

 テンポラリスペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
 tel/fax011-737-5503



by kakiten | 2017-12-12 15:38 | Comments(0)


<< 小さな泉ー最前列にして最後尾(39)      凍結乾燥ー最前列にして最後尾(37) >>