予定していた鈴木余位・村上仁美展が延びて空いた会場。
そこに村上仁美さんが、今年収穫した稲の乾燥させた稲穂
を多量に運び込み〆飾りの制作をしている。
友人の自耕地で毎年稲作を手伝い、収穫した稲穂。
その乾燥させたまだ実の残っている稲穂の形を選び、
穂の姿を活かして〆飾りに仕上げている。
数点出来て壁に飾ると、それぞれが個性的で美しい。
米粒を採った後、様々に利用された稲穂の歴史。
そういえば、祖父の時代割れ物はみな一俵という単位
の梱包だったのを想い出した。
稲藁で丁寧に巻いて包まれ要所要所は固く結ばれていた。
そして大きく梱包されたものが一俵。
解いた後の藁も大事に取って置いて、送荷の時にまた使う。
一俵梱包を終えポンポンと持ち上げ得意そうに締まり具合
を自慢した祖父の自信に満ちた笑顔を想い出す。
それらが甦る藁・・・。
しかし今なら緩衝材も含めてビニール、プラステック。
それらに比べなんと豊かで美しいのだろう。
壁に飾られた〆飾りは植生の豊かさに満ち、有機的な
形象の美に包まれている。
花そのものは無いが、見えざる花が咲いているようだ。
穂の美しさ、茎のたおやかさ。
陽の光を浴びて浮かぶ陰影の立体の美しさ。
稲と人間の長い付き合いは、全てに無駄なく衣食住に
繋がっている。
便利・便利・簡単・手軽、後はポイ捨ての現代人が喪っ
てきた何かが、今も藁には活きている。
*11月14日K~時間不定期ー展示ではありません。
テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
tel/fax011-737-5503
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