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テンポラリー通信

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2005年 11月 25日

都市のなかの防波堤

砂浜を削り、防波堤にした為渚が荒れ、コンブもワカメ小魚も消え、荒涼とした岸
を再び元に戻す漁村のドキユメントをTVでみた。また神戸の地震のとき、かって
の渚の上にある建物がバタバタと倒れ、目にみえる土地は実はバーチヤルなもの
であり、不可視の渚にぶつかった地震波がそのうえの建物を破壊し<渚現象>と
よばれていた。大量に魚を捕るために整備された港は大きな船のためにコンクリー
トの防波堤を築き、その魚が捕れなくなって初めて荒れ果てた渚、磯の豊かさに気
がつくのは、なにも海だけの話ではなく、陸においても同様で、大量の人を入れる
為のコンクリートのマンシヨンを沢山造り、川や野や山や海を埋め、削り、ふっと気
がつくと磯や渚のような生き物としての溜まり場が消え、街としての文化、固有性
が喪われ防波堤のような建物が空を狭くしている。魚群が消えるように何らかの
原因で人口が減った時そこには荒涼とした風景が広がる。里山の豊かさも、森の
木々の静けさも、川のせせらぎもなく風だけがビル風の不機嫌さで通り抜けている
。解体されたビルの残骸は、燃えないゴミの山となり、再び山を海を川を埋め産業
廃棄物となる。このところ古いビルが1~2ヶ月もかけ解体しているのを見たが20
年以上経ったそのビルは何を残したのだろうか?同じように20年以上経った木造
の建物がありそこには建物と一緒に植えられた白樺の木がありその大きさは道行
くひとの憩いとなり目印となっている。同じ20年でも、木の保つ豊かさと、ビルの持
つ古さとは質において対照的なものである。周囲をマンシヨンに囲まれつつある現
在私は、ギヤラリーの前の白樺、銀杏の樹たちとともにそんな事を感じている。

by kakiten | 2005-11-25 16:00 | Comments(4)
Commented by sichihuku at 2005-11-25 18:08
kakiten様
ここからkakitenさんの世界がまた広がるのですね。
熱心な読者になろうと思います。開設おめでとうございます!
自然や風景を壊して壊して壊しまくるのは、とくに北海道に多い気がするのは私だけでしょうか?
段ボール箱のような住宅が並び、川がいびつに真っ直ぐにされ、
不自然にひかれた芝生の裏にしわ寄せになったゴミが溜まる。
周囲から世界が壊されるのは本当にいたたまれない話です。

これからブログ更新楽しみにしています。
「わたくし、こんな絵をかいています」のsichihukuです。
こちらのブログにリンクを貼らせてください。
Commented by kakiten at 2005-11-25 18:44
さっそくお返事有り難う。師匠に感謝です。文の間取り、呼吸のようなもの
がまだ慣れていません。エッセイのようになって固いです。その分まだよそ行きなのでしようねえ~。
Commented by sichihuku at 2005-11-25 21:32
私も始めてから毎日実感する事ですが、このブログという物はいい意味でも悪い意味でも「距離が近い」点だと思うんです。
それだけ心の中に入り込むツールなのでしょう。
お互い上手く運営したいですよね。

Commented by みんなのプロフィール at 2005-11-25 23:47
ブログ開設おめでとうございます!!

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