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テンポラリー通信

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2017年 09月 10日

アメリカ世(ゆー)ー緑陰(23)

ー現代の沖縄は、三つの「世(ゆー)」を体験
してきたと言われている。最初は「うちなあ世
(ゆー)」と呼ばれ、琉球王朝が統治する独立国家
だった。しかし1879年廃藩置県により琉球は
処分され、王朝を失った沖縄は「大和世(やまとゆー
)」を迎える。・・・そして戦後は、戦勝国アメリカ
に支配され、「アメリカ世(ゆ)」となる。ー
    ー駒沢敏器「アメリカのパイを買って帰ろう」

この沖縄のアメリカ世(ゆ)時代は、本土より20年
以上長い1972年まで続くのだ。
民主主義という理念のアメリカの戦後日本近代化。
その近代化アメリカは、沖縄では理念より生活の<身>
の次元でもっと具体的に根付いている。
アメリカ直系の味覚、アップルパイ、ビスケット、
jimmy’sのソウルフード化がその一例だ。
もうひとつ代表的な例が、「SPAM」という豚肉の
缶詰である。
その他調理法も含めて、日常食生活にもアメリカが浸透
している。
日米戦争で最前線にあり、同時に戦後アメリカ占領時も
最前線でアメリカを受け止めた沖縄のふたつの世(ゆ)の
がある。
明治の文明開化とその破綻の近代、そして戦後という近代。
このふたつの近代の最前線にいつも沖縄という地がある。
サトマン君が土産に郷土の菓子として届けてくれた
jimmy’sのクッキーから、戦後近代のフイジカルな
食にまで達している近代の身を思ったのだ。
フイジカル{身も)メタフイジカル(心も)・・・。
私たちのデモクラシーは、そこまで骨肉化してあるのか。
安保条約上のアメリカではなく、本当のアメリカ発理念を
ソウルフードの一つとしてある沖縄のように近代を根付か
せているのか、と振り返るのだ。
20代後半私はショッピングセンターのみを主とする
研修に参加していた。
その時見たのは、タワービル都市(摩天楼)を創った
アメリカが、それをある面で否定し、ヒューマンスケール
という人間的高さに切り替える商店街ーショッピングモー
ル建設にひた走る現実だった。
多国籍民族の共通する夢、そのランド(国)建設。
その理念は日常的で<身>に即していた。
ひとつのnation{国家)より多民族のland
(国土)への夢が生きていた。
それが多種多様のショップ集合構造体ショッピング
モール建設に現れていた。
デイズニーランドもその夢の集合体の顕れと見えた。
そうした根のアメリカを私たちはどれ程身としているか。

サトマン君の沖縄土産はそんなアメリカを伝えてくれた
気がした。

*「大野一雄の記憶ー公演ポスターを主に」ー9月24日まで。
 am12時ーpm7時(火・木・土・日)
 am12時ーpm4時(水・金)

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
 tel/fax011-737-5503






by kakiten | 2017-09-10 18:03 | Comments(0)


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