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テンポラリー通信

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2017年 09月 07日

転位する「石狩シーツ」ー緑陰(20)

9月3日午後7時芸術の森イヴェント
吉増剛造×鈴木ヒラクセッションに行く。
地下鉄ーバスを乗り継ぎ山中の美術館入口。
徒歩で幾つかの野外階段を上り会場を探す。
木々の暗闇、漏れる灯り、響く水音。
夜の芸術の森訪問は初めてだ。
会場のアートホール大演習室では、すでに
多くの人と中央に大きな紙が敷かれロール
状の銅板が片側に伸ばされていた。
すでに吉増さんの語りが始まっている。
鈴木ヒラクさんは紙の上で自在に行為をし、
時に手元のカメラから会場正面の黒い幕に
投影させた描線を見せている。
吉増さんは口元の増幅変響マイクを通して
「石狩シーツ」の朗読を始めた。

山中の洞窟のような会場で、もうひとつの
「石狩シーツ」が浮上していた。
河口での朗読、山中の洞窟での朗読。
明と暗、河口と源流。
「石狩シーツ」の転位する根。
鈴木ヒラクが最後に描き上げた描線は、まるで
河のように大きな紙全体の中央に横たわって
時空を俯瞰し転位する宙からの描線だった。

 transーparent  透き通っている
 *transー・・を横ぎって、貫き通して
 *parentー親、根本、源。

この透明の原義を「石狩シーツ」が転位していた。
石狩河口での朗読。
山奥の洞窟のような場の朗読。
このふたつの「石狩シーツ」は、作品の深化・転位
の相貌に他ならない。
大野一雄と吉本隆明。
明治と戦後というふたつの近代の原点を垂直に深化し、
自らの<身体>のように、その根を見詰めてきた吉増
剛造の到達点なのだと思う。

もうひとつの「空間現代」とのコラボレーションの
吉増剛造を私はまだ経験していない。
音・響きを主体とするこのセッションに、多分この
後の吉増剛造の言葉の磁場が生まれるだろう、と
予感する。

*「大野一雄の記憶ー公演ポスターを主として」ー9月24日まで
 am12時ーpm7時(火・木・土・日)am12時ーpm4時
 (水・金」

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
 tel/fax011-737-5503



by kakiten | 2017-09-07 13:10 | Comments(0)


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