2017年 07月 25日
鼓代弥生・チQ・岡田綾子・藤川弘毅・酒井博史の 5人展「脈」始まる。 それぞれの今が見える。 しかし何故5人なのかは、見えない気がした。 5×1=5という、<×1>が見えない。 タイトルとなる<脈>が、本来そうなのだろうが、 脈は前段階にしか感じられない。 それぞれがある種才能を保っている事は、紛れもない 事実として作品の個性に感じる事は出来る。 しかし何故自分以外の他者と表現の場を共有し発表する のか、その不可視の可能性への試行・視座が薄い。 多分その事を象徴するのは、チQさんの作品だ。 8年前の沖縄へ移住を決めた時、友人の佐佐木恒雄さん とふたり展の最終日会場で完成させた作品。 それと最近作を左右に置いてまん中に同じ大きさ・同じ 材質の板が置かれている。 ここに会期中作品を仕上げる予定という。 8年前佐々木恒雄さんは、故郷網走への帰郷を決意し、 チQさんは沖縄への移住を決意していた。 その南北に別れるふたりの移住の決意。 その時以来佐佐木さんは、故郷網走で家業の漁師を継ぎ、 画業も切れる事なく作品を描き続けている。 チQさんは、その後沖縄から帰郷し、今だ遠くを見たりが 近くを見たり定まらぬ。 そうした意味でも、今回の設定はもう一度8年前を見据 える決意のようなものが漂っている。 しかしそれは個人の問題で、他の4人と同じとは言えない。 岡田綾子さんの様々な表情の縫いぐるみのような動物、人 の面形は、作者の喜怒哀楽を活き活きと伝えて、彼女の今 を宙に跳ばし、会場に陰影を刻んでいる。 この岡田さんの作品が一番会場に脈絡を施し盛り上げている。 酒井さん、藤川さんの作品は、それぞれ一点づつで、寡黙に 現在の今の自分を独白しているような自己凝視の作品だ。 藤川さんは、古びた掛け軸に廃品から人の足がはみ出ている 時代の死を凝視するような絵画作品を描いている。 酒井さんは「掌」という文字を篆刻し印字した作品。 その前に彫刻家の野上裕之との数年前の合作、野上さんの両手 の彫刻手首断面に篆刻した作品を置いている。 掌の復権がテーマという。 鼓代さんは板に彫りこみを刻み色彩を施した板画抽象作品。 こうしてみると、岡田さんの吹き抜け1,2階を自由に跳んで いる作品が唯一場と関わっている作品だ。 5=5の並列化を救っているのは、岡田綾子さんの跳んでいる ような面・縫いぐるみ・妖精のような立体作品であるだろう。 作品とは不思議なモノ・・。 個々の作者はバラバラでも、作品同志がどこか寄り添って 意図せぬ<×1>を醸し出してもいる。 この後行われる3日間のライブで、会場はまたどんな<×1> を産み出すのだろうか・・・。 *5人展「脈」ー7月30日まで。 :25日(火)チQライブpm7時~五百円参加費 :26日(水)ライブドローイング「マスク」pm7時~ 鼓代弥生・岡田綾子ー参加費五百円 :28日(金)ライブ「脈」pm7時~jazz・唄他 参加費千円 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き tel/fax011-737-5503
by kakiten
| 2017-07-25 17:25
|
Comments(0)
|
アバウト
カテゴリ
以前の記事
2019年 02月 2019年 01月 2018年 12月 2018年 11月 2018年 10月 2018年 09月 2018年 08月 2018年 07月 2018年 06月 2018年 05月 2018年 04月 2018年 03月 2018年 02月 2018年 01月 2017年 12月 2017年 11月 2017年 10月 2017年 09月 2017年 08月 2017年 07月 2017年 06月 2017年 05月 2017年 04月 2017年 03月 2017年 02月 2017年 01月 2016年 12月 2016年 11月 2016年 10月 2016年 09月 2016年 08月 2016年 07月 2016年 06月 2016年 05月 2016年 04月 2016年 03月 2016年 02月 2016年 01月 2015年 12月 2015年 11月 2015年 10月 2015年 09月 2015年 08月 2015年 07月 2015年 06月 2015年 05月 2015年 04月 2015年 03月 2015年 02月 2015年 01月 2014年 12月 2014年 11月 2014年 10月 2014年 09月 2014年 08月 2014年 07月 2014年 06月 2014年 05月 2014年 04月 2014年 03月 2014年 02月 2014年 01月 2013年 12月 2013年 11月 2013年 10月 2013年 09月 2013年 08月 2013年 07月 2013年 06月 2013年 05月 2013年 04月 2013年 03月 2013年 02月 2013年 01月 2012年 12月 2012年 11月 2012年 10月 2012年 09月 2012年 08月 2012年 07月 2012年 06月 2012年 05月 2012年 04月 2012年 03月 2012年 02月 2012年 01月 2011年 12月 2011年 11月 2011年 10月 2011年 09月 2011年 08月 2011年 07月 2011年 06月 2011年 05月 2011年 04月 2011年 03月 2011年 02月 2011年 01月 2010年 12月 2010年 11月 2010年 10月 2010年 09月 2010年 08月 2010年 07月 2010年 06月 2010年 05月 2010年 04月 2010年 03月 2010年 02月 2010年 01月 2009年 12月 2009年 11月 2009年 10月 2009年 09月 2009年 08月 2009年 07月 2009年 06月 2009年 05月 2009年 04月 2009年 03月 2009年 02月 2009年 01月 2008年 12月 2008年 11月 2008年 10月 2008年 09月 2008年 08月 2008年 07月 2008年 06月 2008年 05月 2008年 04月 2008年 03月 2008年 02月 2008年 01月 2007年 12月 2007年 11月 2007年 10月 2007年 09月 2007年 08月 2007年 07月 2007年 06月 2007年 05月 2007年 04月 2007年 03月 2007年 02月 2007年 01月 2006年 12月 2006年 11月 2006年 10月 2006年 09月 2006年 08月 2006年 07月 2006年 06月 2006年 05月 2006年 04月 2006年 03月 2006年 02月 2006年 01月 2005年 12月 2005年 11月 お気に入りブログ
リンク
最新のコメント
外部リンク
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
ファン申請 |
||