春の気配がしてきた。
もう何処かで福寿草は咲いただろうか。
固い氷雪を割って腐れ雪の間から、燃える喜・
黄の花。
そしてフキノトウの緑が揺れる山裾・雪原。
山の斜面も雪が沈み、黒い森の樹肌が林立する。
樹間にキタコブシの梢、白い花が光る。
白い世界に陰影が刻まれ、冬の終わりがくる。
やがて百花繚乱・色彩の夏の始まる、
この冬の年・夏の年の境界こそが札幌の短い春。
八木保次・伸子さんの追悼の季節がやって来た。
2012年2月相次いで亡くなられた八木保次
・伸子夫妻。
この札幌生まれの稀有な夫婦画家が、東京池袋から
札幌に帰ったのは1970年代後半。
ここから札幌の彩(いろ)がふたりの画業の大きな
中心としてあるのだ。
八木伸子さんの描く白は、1年の半分を覆う冬の色だ。
保次さんの描く色彩は、冬の年を超え夏の年の保つ激し
い自然の色彩乱舞を思わせる。
白黒と百花繚乱の境目のようなこの時、毎年ふたりの
追悼展を催している。
私の家が所蔵していた2点のふたりの絵。
それは伸子さんの福寿草のような黄色、そして保次さん
のフキノトウのような緑色の絵画だ。
そこに私の友人達が所蔵している小さなコレクションと
遺族の方の収蔵品を持ち寄り毎年開く。
ふたりに捧げる基点には、いつも北の春の光彩、夏の年と
冬の年の境界(さかい)の色彩ー黄と緑のふたりの作品が
輝く灯明のようにある。
*追悼・八木保次・伸子展「サッポロの彩(いろ)」ー4月4日ー16日
テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
tel/fax011-737-5503