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2017年 03月 28日

札幌の彩(いろ)ー湿地帯(28)

春の気配がしてきた。
もう何処かで福寿草は咲いただろうか。
固い氷雪を割って腐れ雪の間から、燃える喜・
黄の花。
そしてフキノトウの緑が揺れる山裾・雪原。
山の斜面も雪が沈み、黒い森の樹肌が林立する。
樹間にキタコブシの梢、白い花が光る。
白い世界に陰影が刻まれ、冬の終わりがくる。
やがて百花繚乱・色彩の夏の始まる、
この冬の年・夏の年の境界こそが札幌の短い春。

八木保次・伸子さんの追悼の季節がやって来た。
2012年2月相次いで亡くなられた八木保次
・伸子夫妻。
この札幌生まれの稀有な夫婦画家が、東京池袋から
札幌に帰ったのは1970年代後半。
ここから札幌の彩(いろ)がふたりの画業の大きな
中心としてあるのだ。
八木伸子さんの描く白は、1年の半分を覆う冬の色だ。
保次さんの描く色彩は、冬の年を超え夏の年の保つ激し
い自然の色彩乱舞を思わせる。

白黒と百花繚乱の境目のようなこの時、毎年ふたりの
追悼展を催している。
私の家が所蔵していた2点のふたりの絵。
それは伸子さんの福寿草のような黄色、そして保次さん
のフキノトウのような緑色の絵画だ。
そこに私の友人達が所蔵している小さなコレクションと
遺族の方の収蔵品を持ち寄り毎年開く。
ふたりに捧げる基点には、いつも北の春の光彩、夏の年と
冬の年の境界(さかい)の色彩ー黄と緑のふたりの作品が
輝く灯明のようにある。

*追悼・八木保次・伸子展「サッポロの彩(いろ)」ー4月4日ー16日

テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
tel/fax011-737-5503
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by kakiten | 2017-03-28 16:10 | Comments(0)


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