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テンポラリー通信

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2017年 03月 25日

滲め雪ー湿地帯(27)

霰が降ったり、湿め雪が舞ったり、道は湿地帯。
漏れる陽射しに近づく春も感じるが、身体に感じ
る春はまだまだ遠い。

透析の通院もあり雪道もあって、自転車に乗らず
地下鉄や地下街を利用する事が多い。
その中で電気エネルギーに依存した日常を時々考える。
一度自宅の電気が切られた事があった。
夜遅く帰って暗い室内に電気のスイッチを入れても
灯りが点かない。
真っ暗で温風ストーブも点かない。
玄関のドアーに給電停止の請求書があった。
遅いのでその日はそのまま就寝し、翌朝早く近くの
コンビニで支払い、指示された電力会社に電話する。
コンビニの支払場所をレシートに表示された番号を
伝えると、直ちに灯りが戻り、全てが動き出した。
マンションの一室がピンポイントで管理されている。
熱も光も音も食料庫も・・・。
個人生活、社会生活も電気エネルギーが管理している事
は間違いない。
電車、地下鉄、エスカレーター、エレヴェーター、
交通媒体も電気を抜きに全ては成り立たない。
さらに様々な情報媒体、食料管理も家庭の冷蔵庫やTV、
電話等もすべて電気エネルギーに依存してある。
その電気エネルギーを産む燃料は石炭・石油・原子力
の消費で購われている。
それら自然資源から得た巨大な力を人は利用し操作して、
豊かにもなったが同時に恐ろしい喪失と背中合わせに生
きている。
ビルの中、地下街、地下歩道、電気が消えた街は真っ暗
闇の世界だ。

電気の無い夜の部屋で、物置の奥から出した旧式の温風
の出ないストーブに火を付けた。
その赤い炎を見ながら、思った事である。
個室も都市も、人為的3・11とは背中合わせの日常だ。

*追悼・八木保次・伸子展「さっぽろの彩(いろ)」ー4月4日ー16日

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
 tel/fax011-737-5503

by kakiten | 2017-03-25 15:31 | Comments(0)


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