相次いで3人の今、軸足のように感じる、本予告、DVD
、詩集が送られて来た。
一つは小林重予さんの絵画とその前で語られる童話のよう
な物語朗読の映像。
もうひとつは8月発刊予定の吉増剛造さんの「火ノ刺繍」
の予告内容フライヤー。
そして今は岐阜市に住む盟友桑名正和さんの17歳から書
きためた全詩篇を収めた詩集。
それぞれが今を生きる踵(かかと)の時間を顕している。
小林さんのDVDは、ふたりの元女子アナが交互に小林
さんの絵画の前で文を朗読し聞かせるというイヴェント
の収録画像だ。
自然・生物に対する小林さんの基本的立ち位置が、紙芝居
でも見るように絶妙のふたりの語りで綴られている。
この語りを音だけで聞いていても、心地よい。
吉増さんの本「火ノ刺繍」は、3・11以降の自らの生の
原点を問うた2011年一年間の記録写真・対話・詩等を
収めたものである。
この本のタイトルともなる展示はすでにテンポラリーで
延びつつも5月に予定されている。
この6年間の集大成とも言える展示であり、本と思う。
桑名さんの詩集は17歳から折々に書き続けた詩の集大成
詩集である。
齢60歳を過ぎて人生を総括するかのように、生きてきた
全時間の軸足を見据えている。
三者三様の生への踵(かかと)の視線が、深く心に響く。
自然・時代・人生と過去現在に渡るそれぞれのラデイカルな
交震が深い深度を保って伝わって来る。
*八木保次・伸子追悼「サッポロの彩(いろ)」ー4月4日ー16日
*吉増剛造展「火ノ刺繍乃道(ルー)」ー5月予定
テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
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