最終日当日、前日ともに晴れ。
光燦々・・・。
ガラス作品、滴のような房に光が溜まっている。
午前、南西からの光の房。
午後、西南の光と変わる。
そして夕日が落ちて電気の光だけの時、小樽
の橋本洋輔氏が来る。
彼は、今回高臣大介展のテーマ「奏であう」に
深く関わる昨年末死去した太田ヒロさんの親友
である。
ミュージシアンである橋本氏はすぐに揺れる
ガラスの音とライトに映された影のハーモニー
に注目しスマホを翳し録画していた。
下に置かれたアラジン型の石油ストーブの上昇
気流で自然に揺れふれあって響くガラス音。
そして太田ヒロさんの此処での最後の演奏に使
われた円盤状の楽器を思い起こさせる円盤状の
ガラス板。
そこに充てられた照明の光が壁に微妙な凹凸の
影を浮かばせている。
この音と影の競演が深く橋本さんの心を捉えた
ようだ。
普段は見えないガラス表面の微妙な凹凸。
そして風に揺れ響く音。
視覚・聴覚・皮膚に触れる空間。
”これは飽きないなあ^と橋本氏が呟く。
太田ヒロの死を悼み懐かしむ気持ちが新たな
ガラス表現の可能性を拓いた気がする。
人の動きや風によって自然に生まれる音と光の
空間。
その中に、ただただ飽きずに立ち会っている。
そんな展示方法がイメージされた。
ガラス自体が自然に発する音と影で生まれる
新たな展示。
太田ヒロを哀悼する気持ちが音も加わり生まれる。
昨晩は冥界よりヒロも加わってくれたなあ、
そんな夜だった。
*高臣大介ガラス展「奏であう」ー2月19日(日)まで。
*中嶋幸治展「分母第二号販売展・特集メタ佐藤ー包み直さ
れる風景と呼び水」ー3月4日(土)5日(日)
*吉増剛造展「火ノ刺繍乃道(ルー)ー4月予定。
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