昨年末13年ぶりの里帰り個展をした京都在住の
橘内光則さんから連絡がある。
その後ドイツ・ハンブルグでの展示で9組13点の
作品中8組が売れたという。
私が札幌に残したかった大野一雄を思わせるキャン
ドルと燭台の作品も売れたという。
これを機会に新たに作品図録を再編集したいので作
品論を書いてくれないかという。
正式には奥さんのナッツさんから依頼があるまで未
定だが、嬉しい事だ。
13年前札幌を離れ単身京都へ旅立ち仕事と画業を
続けてきた橘内光則。
札幌生まれの彼には京都も日本の親しい異国だった
だろう。
同じ頃親友の谷口顕一郎さんはサハリン経由でベル
リンへと旅立ち、その後欧州で活躍し、昨年夏札幌
彫刻美術館でも個展を開いた。
ふたりの旅立ちの方向は当時全く正反対だったが、
踵(かかと)のような故郷札幌でふたりの成果を今
見ている。
今朝会場に顔を出した高臣大介さんが、開口一番”俺、
イタリアの映画に出るよ!”と話す。
”え・・?、”と聞くと、イタリアの映画監督がカンヌ
参加作品に日本の食と文化をテーマに撮影し、その中
でガラスの制作風景を撮るシーンを考えたという。
食と器と文化という事だろうか。
高臣さんは来年フランスで窯場を借りて制作し個展を
予定している。
彼にまた新たなヨーロッパの関係が生まれるようだ。
今年1月初めてパリ郊外展示に始まり、様々な可能性が
開きつつある。
多分親友の谷口顕一郎のヨーロッパでの活躍を横目で見な
がら、何時か俺も・・・と思っていたであろう高臣大介。
その密かな気概が段々現実の仕事として見えてきた気がする。
ドイツ・フランス・イタリア・・・3人の作品とともに
拡がる世界は、心温まる春一番の風のようだ。
*高臣大介ガラス展「奏であう」ー2月19日(日)まで。
am11時ーpm7時。
*中嶋幸治展「分母第二号販売展・特集メタ佐藤ーその包み直される
風景と呼び水」ー3月4日(土)5日(日)
*吉増剛造展「火ノ刺繍乃道(ルー)」ー4月予定
テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
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