初日の夜高臣大介さんから先月訪れたフランスの話を聞いた。
ガラス作品の評価は相対的に低いという。
いわゆる工芸的な評価位置なのだろう。
現代美術、ファインアートとしては評価されていない。
その事に触れて高臣大介は、究極のガラス作品として
ガラスコップを考えているという。
何の変哲もないガラスのコップ。
そこに全てを籠める。
そして実際に一点作品が展示されている。
掌に収まるシンプルなガラスのコップ。
その掌の中に固有の個が息付いている。
究極の掌創り。
三浦正宏さんの民芸思想の精神に通じる。
人間の掌(てのひら)がひとりづつ固有であるように
その掌の(たなごころ)も固有なのだ。
コップひとつにその固有性を賭け顕在を志す。
究極の掌(たなごころ)コップだ。
高臣大介さんの話を聞きながら、掌の復権という人間
の原点のような今最もラデイカルなテーマを思っていた。
掌を離れて小手先・指先操作の機械増幅力で繁栄する社会。
掌(たなごころ)が抱擁する掌(てのひら)の宇宙。
その最もシンプルな造形形象のひとつコップを、究極の
ガラス作品として創りたい。
これは今ガラス作家高臣大介が到達したある透徹した志向
であると私は思う。
その究極の手・掌が、透明な一個のガラスコップとなって
顕在化するのは、永遠の挑戦となるかも知れない。
しかしその永遠性こそが究極の人類の掌(たなごころ)の
魂なのだ。
その想いで創られた透明なコップが一点、白い壁と白い棚
の上に置かれている。
掌が合わさって、合掌。
奏であう・・・・握手。
これも究極の掌だ・・・。
*高臣大介ガラス展「奏であう」ー2月19日(日)まで。
am11時ーpm7時
*中嶋幸治展「分母第二号販売展・特集メタ佐藤ーその包み
直される風景と呼び水」ー3月4日(土)5日(日)
*吉増剛造展「火ノ刺繍乃道(ルー)」ー4月予定。
テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
tel/fax011-737-5503