個々の生命の炎が熱く凝縮し燃え上がる時、
星のように燦めき輝くような気がする。
鈴木余位さんの文章に、それを感じる。
私が「現代の眼」の原稿執筆過程で拘ったのは、
そうした個々の星の輝きのような力だった。
その星のひとり鈴木余位さんの輝きが強い光を
今放っている。
私は6年間5回に渡る吉増剛造展に関わった
それぞれの星の力を記録して置きたかった。
今にして思えば、それは叶わぬ無謀な思いだった。
本人しか語り得ぬ個々の根源的な質量がある。
ブンタには、活字職人酒井博史さんの・・・。
マサさんには、スタイリスト河田雅文さんの・・・。
中嶋さんには、津軽人中嶋幸治さんの・・・。
山田さんには、歌人山田航さんの・・・。
村上さんには、花人村上仁美さんの・・・。
そして余位さんには、映像作家鈴木余位さんという
星の質量がある。
その星々の質量・光が集まって吉増展示星雲となり、
同時代大野一雄・吉本隆明銀河となって、6年間の
吉増剛造展「怪物君」を創出し続けたと思う。
そして今、個々の星が光を発し始め出している・・・。
私は、最後に刻まれた一文に胸が熱くなっていた。
テンポラリースペース”入口”ガラス戸にはtempo
rary spaceという切文字があり、その上に
小さくconと、ある。
その接頭語はラテン語で「共に」、そして時に「強調」
を意味するという。バラバラな一時(個人)の集合した
同時代(超時代)を放射する箱でありながら、時には
何人たりとも寄せつけぬ純粋な一時(孤独)ともなる。
ここに集う”時”にわたしは偽りを感じない。わたしは
こんなしあわせなspaceを他に知らない。それは
「怪物君」そのものものではないかな。だからわたしは
それがすきなのだろう。そうなのだろう。
*森本めぐみ展「百年の予定」ー12月30日ー1月3日
am11時ーpm5時:1月2日(月)定休。
TemporarySpace札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
tel/fax011-737-5503