曇り日、壁の蔦の紅葉が進む。
朝うっすらと一片の雪片が飛んでいた。
夕方には降り積もるかな・・・。
札幌生まれの札幌育ち橘内さんには相応しい最終日。
夏の末・秋の、冬の年への架け橋のようだ。
そして彼を支え大阪で帰りを待つ奥さんのなつさんへ
の架橋の時間でもある。
あっという間の3週間だ。
13年ぶりの里帰り展で、大野先生を触発させてくれ
た事もあり、何点かが札幌に残れば嬉しい。
生命の灯りの共有、浮世絵の和蝋燭とキャンドルの
競演の絵画が私は惹かれている。
共感してくれた初めての訪問者の、もう一度の訪問
に期待している。
3歳の男の子と五歳の女の子を連れた橘内さんの
同級生が訪れた。
子供等はすぐに慣れ梯子を登り、2階回廊を走り回り
裏の階段を駆け下りはしゃぎ廻っている。
まるで絵画に描き込まれた浮世絵の人物の魂の様だ。
陰影も細密に描写された現代の日常風景を背景に、
自由に跳びまわる浮世絵の曽我簫白や北斎漫画の
人物たちは、平面的描写ながら、活き活きと身体性
を保っている。
子供達はその自由な身体性を受け継いでいる。
近現代とはある意味、描き割りのインフラの時代な
のかも知れない。
庶民は本来は自由にその新奇性を飲食し、楽しんで
子供のように闊歩するのが本質かも知れない。
大上段に振り構え肩を怒らし、近代だ、伝統だと線
引きするのは思考の身体の自由を喪失しつつある大人
の硬直性が成せる現代の不幸かも知れない。
子供達が楽しんで駆け回る姿を見ながら、そんな事を
思っていた。
*橘内光則展「土曜の夜の夢」ー10月30日(日)まで。
am11時ーpm7時。
*Hopi&カチーナ展ー11月2日(水)ー6日(日)
am11時ーpm6時(最終日午後5時まで)
:お話会「平和の民ホピ族と精霊カチーナ」午後2時~/午後5時~
テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
tel/fax011-737-5503