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2016年 10月 28日

橘内光則展あと二日ー土曜の夜の夢(15)

京都から13年ぶり、里帰りの橘内光則「土曜の夜の夢」展
も残りあと二日。
やはり作品が実物と共に在る時間は貴重だった。
特に彼の絵画は、写真のように超リアルな描写が特色である。
しかし本物の作品は、写真ではなく油彩であり、色彩による
背景の陰影、挿入された浮世絵風の人物のリアルな日常背景
との対比が面白く、画面は昼夜変幻し呼吸していた。
細密に描かれたトーストやワイン、ショートケーキなどの食卓
日常風景が描き割りの背景のように沈んで、平面的な浮世絵風
の人物が自在に画面を自由に跋扈していた。
アクションはこの前近代の江戸時代以来の人物達が主役なのだ。
言わば近・現代日本を表象する日常風景の中を楽しそうに食し、
動き廻っている。
3・3平方メートルだ、1・8リットルだと言いながら、心身
は一坪、一升の尺寸の身体が楽しそうに飽食している。
イデオロギーで日常を捉えず、基本的に身体の飲食で日常に採
り入れ楽しんで過ごしている。
一升の基準を1・8リットルと記載して過ごす現代日常と同じ
感覚なのだ。
スパン、スケール等といいながら、身は尺度・寸法が死んでは
いない。
細密に描かれた背景は細密であればあるほど、描き割りの日常
風景となり、一見古い浮世絵風人物は自在に其処を跳躍する。

もしその背景が先端の突き出た黒い靴に両脚にぴったりの黒い
ズボンかストッキングを履いた男女が速歩で歩く風景に飛脚か
鳶職人が楽しそうに伴走する画面を描いたら、面白いだろうな
あと想像する。
バックは都市の通勤風景か地下鉄乗り換えホームなどが良い。
そうした辛みも加わる可能性も将来あるのかも知れない。

小さなアメリカ大陸のように、色んな国から人が移住してきた
北海道で生まれた橘内光則は、近・現代そのものを背景(基底)
として、さらなる近代以前の妖精たちを自由自在に跳躍させて
現在を深化させて欲しいと思う。

*橘内光則展「土曜の夜の夢」ー10月30日(日)まで。
 am11時ーpm7時。
*HOPI&カチーナ展ー11月2日(水)ー6日(日)
 am11時ーpm6時(最終日午後5時まで)
 お話会「平和の民ホピ族と精霊カチーナ」ー11月3日午後2時~/
 午後5時~一日2回。

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
 tel/fax011-737-5503
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by kakiten | 2016-10-28 14:35 | Comments(0)


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