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テンポラリー通信

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2016年 10月 23日

週末の訪問者ー土曜の夜の夢(11)

開廊して間もなく銀色のVWが駐まり、M夫人が来る。
橘内展搬入時に来て以来だ。
改めて展示を見に来たという。
会場で写真を撮りながら作品全体が気に入ったようだ。
正面の大きな2点組が特に惹かれるという。
私は大野一雄を想い起こさせるキャンドルの灯りと
競演する和蝋燭の奇人の絵画が好きだ。
74歳で欧州で初デビューした頃の大野先生の舞踏
を彷彿とさせる。
そう話すとM夫人も心惹かれたようだ。
5万円なら安いし、札幌に残したい一点だと伝える。
写真家で書も嗜みフラワーアレンジもする多才な彼女
は、優れて意欲的な熟年の奥様である。
お土産に蛸飯のお握りを頂いた。
感謝だ。

M夫人が帰って間もなく、福井から帰省中のM・Mさん
が赤ちゃんを抱いて訪れる。
年末・年始に予定の個展の打ち合わせもあって、初の里
帰りに寄ってくれたのだ。
妊娠中、出産後に拘わらずここでの「それぞれの山田航
<水に沈む羊>展」にも出品してくれた。
赤ちゃんはまだ生後3ヵ月程で、前抱きされ睡っている。
なにか見ていて、お腹の中の延長のようで母子一体感を
感じる。
おんぶとは違う前抱きの抱き方である。
橘内作品はDMにも使われたトーストに布袋さんの絵が
気に入ったようで、特に3点目の満腹したような布袋さん
が良いと言う。
妊娠中のお腹が大きかった所為だろうか・・と勝手に思う。
その内赤ちゃんが目を醒まし、こちらを見る。
うん?と顔を寄せると、最初は訝っていたがやがてニコニコ
と顔を崩す。
最後には口を開けて笑う。
おまえ、歯が無いじゃないか・・とからかうとまた口を開けて
笑う。
知らない人にこんなに笑うのは初めて・・とMさんに言われて
気分が良くなった。

Mさんが帰って間もなく、詩人のFさんが来る。
明日大手の某書店で彼女の初エッセイー本のキャンペーンが
あり、帰省中なのだ。
Fさんの処女詩集、第二詩集はともにMさんの絵が表紙装丁に
使われていた。
それもあり、しばらくMさんはFさんの来るのを待っていたが
少しの時間差で会えなかった。
Fさんは高校2年の第一詩集で全国区の賞を授賞し、今や東京
で詩人としてバリバリ活躍中の第一線だ。
橘内展ではMさんと同じくトーストの絵が好きだという。
この辺は世代なのだろうか・・。
そして今回出版されたエッセイ集をサインして寄贈してくれた。
これで第一、第二詩集のMさんとFさんのサイン入りとこの
3冊目とすべて揃った事になる。
嬉しいな・・・。
途中から映像の成清祐太君も来て、話が弾んだ。

週末の土曜日は、3人の優れたそれぞれの立場の女性が訪れて
ずしんと重みの掛かる時間だった。
男の軽さを実感する気がした。
軽さというか、言葉を発する場所の何センチかの相違が胸の辺り
で上下する感じだ。
ケン&アヤ、キッツ&ナッツ・・・。
やはり草の根の男女を思っていた。
そんな自分自身の未熟さを、今更ながら実感した週末だ。

*橘内光則展「土曜の夜の夢」ー10月30日(日)まで。
 am11時ーpm7時:月曜定休。
*HOPI&カチーナ展ー11月2日(水)ー6日(日)
 am11時ーpm6時:火曜日は搬入・展示日。
 ;11月3日(木)午後2時~/午後5時~お話会2回開催
 「平和の民ホピ族と精霊カチーナ」各回1000円。

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
 tel/fax011-737-5503

by kakiten | 2016-10-23 13:19 | Comments(0)


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