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テンポラリー通信

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2006年 06月 28日

都市の光景ー界を生きる(6)

来週から始る藤谷康晴さんの展示が続いている。ギヤラリーのかって鴨居だっ
た部分に南一条通の西三丁目と二丁目南側ショピングビルの建物だけの細密
画が三方の壁にぐるりと展示された。椅子に座って見上げると街が芝居の書割
のように見える。人は描かれていない。ビルの外壁と舗道だけである。いつか写
真展で夜のコンビニエンスストアだけを写した写真を見た事があったがそれも
明るいが人のいない建物だけのものだった。普段人が集まっているはずの所が
実はだあれもいない光景として表現され捉えられている。現実の光景と内面の
風景がそのようなギヤップを保ってるのだ。札幌で一番に繁華な場所を人のい
ない建物の外壁と舗道だけで細密でリアルに再現されるとそれはもうなにか別
次元の不思議な風景になりそれを下から座って眺めるとそれはまるで蜃気楼
のようにも見えるのだった。かっての鴨居の上はかっての二階の和室の構造が
吹き抜けの上にありそこもまた透視された空間となってショプピングビルの外壁
の上に広がっている。時の縦軸の時間差を空簡にいながら同時に経験している
のだ。コンビニを撮影した人もこの藤谷さんもともに20代前半の若い人で彼らの
醒めた観察眼は私には深く共感する部分が多い。私の場合はそういう現場を生
きてきたわけだがコンビニやパルコ世代の人がある面で同じような冷静な醒め
た視線を保っていることに吃驚もし嬉しく頼もしくも思える。この展示は2階から
見下ろすようにも眺められ見る視座によって様々な様態を感じさせるだろう。空
間が展示というインスタレーシヨンによって作家の意図がよりクリアーになり予期
せぬ発見が生まれる。そしてそのことを誰よりも興奮し喜んでいるのは勿論作家
自身なのだ。ギヤラリーという函(箱ではない!)はトランス状態となり経由し変電
し乗り換えていく空間となる。だからきっとこの後もまだ展示の興奮は続くだろう。

*藤谷康晴展「常温で狂乱」7月4日(火)ー16日(日)am11時~pm7時

by kakiten | 2006-06-28 18:29 | Comments(0)


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