人気ブログランキング | 話題のタグを見る

テンポラリー通信

kakiten.exblog.jp
ブログトップ
2016年 08月 30日

台風10号ー撓む指(14)

迷走台風10号の警戒情報がTV画面を席捲している。
ふっと吉増剛造さんが書いていた空襲警報を想起した。
”敵機房総半島沖より襲来せり・・・”
そして、読み上げられる東北地方の地名が、原発事故で
報道される聞き覚えのある地名だ。
国家も自然も剥き出しの野生を人間社会に向け出すと、
人はただただ身をすくめて逃げ惑うだけ。
戦争という人間内部の野生暴力、自然という野生恐怖。
剥き出しの野生への畏怖、警戒を忘れた人間の傲慢さが
、今回の台風10号に垣間見える気がする。
一度南の海にさった筈の10号が、出戻るようにさらに
勢力を高めて来襲し、さらに中国大陸から逆走して日本
列島に襲来する可能性も指摘されている。
すべては、異常な海水温と気圧配置の成せる事という。
地球という水の惑星の水の野生に歯止めが外れてきて
いるようだ。
自分の病に例えれば、地球の腎不全だな。

普段見えない空気・水・光が、剥き出しの野生となると
暴風や津波、熱射となって直撃するのだ。
その為に人は中間・緩衝地帯を文化として築いてきた。
畏れと祈りの気持ちを籠めて。
それらを総称して故郷と呼んだり、故国と呼んだ。
そうした心の風土が磨り減りつつある。
自然エネルギーを化工エネルギーに変え、身体エネルギー
を遥かに超える力を得て、境の緩衝地帯を無視し境界を越え
自然を傷めた。
その結果を、今も今後も受苦し続けていくのだろう。
自然保護ではなく、人間社会保護の為の風土・故郷に根差した
文化という人間的な力が試されている。

*それぞれの山田航「水に沈む羊」展ー9月20日ー10月2日
*橘内光則展ー10月8日ー30日
*ホピとカチーナドール展ー11月1日ー6日

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
 tel/fax011-737-5503




by kakiten | 2016-08-30 13:01 | Comments(0)


<< 強風の夜開けてー撓む指(15)      足と踵ー撓む指(13) >>