迷走台風10号の警戒情報がTV画面を席捲している。
ふっと吉増剛造さんが書いていた空襲警報を想起した。
”敵機房総半島沖より襲来せり・・・”
そして、読み上げられる東北地方の地名が、原発事故で
報道される聞き覚えのある地名だ。
国家も自然も剥き出しの野生を人間社会に向け出すと、
人はただただ身をすくめて逃げ惑うだけ。
戦争という人間内部の野生暴力、自然という野生恐怖。
剥き出しの野生への畏怖、警戒を忘れた人間の傲慢さが
、今回の台風10号に垣間見える気がする。
一度南の海にさった筈の10号が、出戻るようにさらに
勢力を高めて来襲し、さらに中国大陸から逆走して日本
列島に襲来する可能性も指摘されている。
すべては、異常な海水温と気圧配置の成せる事という。
地球という水の惑星の水の野生に歯止めが外れてきて
いるようだ。
自分の病に例えれば、地球の腎不全だな。
普段見えない空気・水・光が、剥き出しの野生となると
暴風や津波、熱射となって直撃するのだ。
その為に人は中間・緩衝地帯を文化として築いてきた。
畏れと祈りの気持ちを籠めて。
それらを総称して故郷と呼んだり、故国と呼んだ。
そうした心の風土が磨り減りつつある。
自然エネルギーを化工エネルギーに変え、身体エネルギー
を遥かに超える力を得て、境の緩衝地帯を無視し境界を越え
自然を傷めた。
その結果を、今も今後も受苦し続けていくのだろう。
自然保護ではなく、人間社会保護の為の風土・故郷に根差した
文化という人間的な力が試されている。
*それぞれの山田航「水に沈む羊」展ー9月20日ー10月2日
*橘内光則展ー10月8日ー30日
*ホピとカチーナドール展ー11月1日ー6日
テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
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