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テンポラリー通信

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2016年 08月 03日

今に繋がる草の根ー撓む指(2)

変化の早い時代。
そこで10年とは、一昔どころか二昔も超える時間だ。
しかし本質的な事は、そんなに早く変わる物ではない。
ムラギシ生きていれば、32歳。
そう思えば、変化の可能性を感じる。
しかし、22歳で途切れた人生の根は、今も古びてはいない。
不意の死によって途切れた筈の時間、今も新鮮に輝くように
現在を照らし出す光源がある。
大野一雄86歳の1991年9月石狩河口野外公演も然り。
今週末まで展示の吉増剛造展東京国立近代美術館も然り。
そこを尋ねると即答した川俣正の志向性も然りなのだ。

美術家川俣正の一つの出発点ともなった1983年札幌テトラ
ハウスプロジェクト。
三笠という一炭鉱都市の濃い人間社会のコミュニケーション
網の存在を、閑静な都市住宅街の一角で、廃材を内外に縦横に
使い、人の出会いの燃える場と変幻したインスタレーション。
そこから世界中を旅し、都市の一隅に人間の対話の回路を
風のように創り、一期間設置し去ってゆく行為を続けた。
あれから35年。
風の大工は今故郷三笠のズリ山を含めた俯瞰風景をジオラマの
ように創りだしている。
記憶の裾野(デイテール)が甦る。
それは同時代という現代(いま)の深い裾野なのだ。

ムラギシも、ヨシマスも、カワマタも、ヤギヤスジ・ノブコも
私には私の生きてきた時空の裾野を揺らし、立ち上がる同時代
の根の姿に見える。

「石狩・吉増剛造 1994」展に続き、村岸宏昭没後10年
「撓む指は羽根 ムラギシ10年展」が続くなら、「川俣正テト
ラハウス 1983展」もいずれ展示してみようと思う。
今週吉増ー川俣対話が東京で「声ノマ・・」展で実現すれば、
弾みともなる気がする。
同時代の裾野を広げ、掘り起こし、今という頂きを再構築する事。
時間の速度に略奪されない現在を、自らが構築する事だ。
テンポラリーの裾野から、コンテンポラリーの今という礎石を・・・。

*「撓む指は羽根ームラギシ10年」展ー8月9日ー14日。
 am11時ーpm7時:水・金:午後3時閉廊。
 8月14日午後5時~ライブ。

 :「声ノマ 全身詩人、吉増剛造展」ー8月7日まで。
  am10時ーpm5時・月曜定休。
  東京国立近代美術館 東京都千代田区北の丸公園3-1

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
 tel/fax011-737-5503 

by kakiten | 2016-08-03 13:55 | Comments(0)


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