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テンポラリー通信

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2016年 07月 21日

ラジオ深夜便ー回路(25)

二晩に渡って放送された吉増剛造のラジオインタビュー
の録音が小樽の橋本氏から送られてきた。
声だけで展覧会の事、幼少期の事、与謝野晶子、折口信夫
の声についてなど語っている。
吉増さん、これまでの人生裾野全開だなあ。
5歳の時に聞いたラジオの空襲警報の記憶から始まって
記憶の襞、身体に残る裾野の感覚がラジオならではの
声ノ保つ身体感で語られるリアリテイがある。
今展示中の東京国立近代美術館「声ノマ 全身詩人、
吉増剛造展」を機に、週刊現代、ラジオ、10冊近い各社
出版物と時代の裾野から津波のように立ち上がっている。
3・11という自然の怪物性に立ち向かう為、糸を縫う
手仕事のようにデテールから集積した仕事という織物を
引っ提げてて全身で時代へと立ち向かっている。
もう個人的名誉ではない。
時代・社会全体に向き合っている。

私は力及ばなかったけれど、自分なりにひとつひとつの
糸を文章の中に織り込む事に拘って、字数制限に悪戦苦闘
した方向性は間違っていなかったと、少しほっとしている。
ふたつの近代という大テーマと、ここで継続した6年間5回
の展示のデテールを、織り込み不足は否めないものの方向性
は守れたと感じる。

膝ならぬ肩に水が溜まって、腎臓も含めた身体全体で何故か
水の脅威と闘っている。
これも体内の津波・地震との闘いだろうなあ。
身体の堤防がガタガタと音を立てている。
二晩に渡る長時間のラジオ録音に勇気づけられた。
橋本洋輔氏には深く感謝だ。

*「石狩・吉増剛造 1994」ー7月31日まで。
 am11時ーpm7時:月曜定休(水・金 都合により午後3時閉廊)
*ムラギシ没後10年展ー8月8日ー14日:8月12日夕刻ライブ。

 :「声ノマ 全身詩人、吉増剛造展」ー8月7日まで。
  am19時ーpm5時:月曜定休。
  東京都国立近代美術館 東京都千代田区北の丸公園3-1

 テンポラリースペース札幌市帰宅北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
 tel/FAX011-737-5503 

by kakiten | 2016-07-21 18:05 | Comments(0)


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