二晩に渡って放送された吉増剛造のラジオインタビュー
の録音が小樽の橋本氏から送られてきた。
声だけで展覧会の事、幼少期の事、与謝野晶子、折口信夫
の声についてなど語っている。
吉増さん、これまでの人生裾野全開だなあ。
5歳の時に聞いたラジオの空襲警報の記憶から始まって
記憶の襞、身体に残る裾野の感覚がラジオならではの
声ノ保つ身体感で語られるリアリテイがある。
今展示中の東京国立近代美術館「声ノマ 全身詩人、
吉増剛造展」を機に、週刊現代、ラジオ、10冊近い各社
出版物と時代の裾野から津波のように立ち上がっている。
3・11という自然の怪物性に立ち向かう為、糸を縫う
手仕事のようにデテールから集積した仕事という織物を
引っ提げてて全身で時代へと立ち向かっている。
もう個人的名誉ではない。
時代・社会全体に向き合っている。
私は力及ばなかったけれど、自分なりにひとつひとつの
糸を文章の中に織り込む事に拘って、字数制限に悪戦苦闘
した方向性は間違っていなかったと、少しほっとしている。
ふたつの近代という大テーマと、ここで継続した6年間5回
の展示のデテールを、織り込み不足は否めないものの方向性
は守れたと感じる。
膝ならぬ肩に水が溜まって、腎臓も含めた身体全体で何故か
水の脅威と闘っている。
これも体内の津波・地震との闘いだろうなあ。
身体の堤防がガタガタと音を立てている。
二晩に渡る長時間のラジオ録音に勇気づけられた。
橋本洋輔氏には深く感謝だ。
*「石狩・吉増剛造 1994」ー7月31日まで。
am11時ーpm7時:月曜定休(水・金 都合により午後3時閉廊)
*ムラギシ没後10年展ー8月8日ー14日:8月12日夕刻ライブ。
:「声ノマ 全身詩人、吉増剛造展」ー8月7日まで。
am19時ーpm5時:月曜定休。
東京都国立近代美術館 東京都千代田区北の丸公園3-1
テンポラリースペース札幌市帰宅北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
tel/FAX011-737-5503