状況は違うけど、今人生最前線のふたり、花の時。
その席に招かれて、幸せだった。
共通するのは、主役の笑顔だ。
東京国立近代美術館の大舞台。
結婚披露宴大宴会場の大舞台。
それぞれ人生最前線の花のステージだった。
間にいたHさんの背中越しにぐいぐいドンと私の腕を
叩き握った吉増剛造の手。
祝い客の波の中、すれ違い交わした鷹臣大介との握手。
ふたりの手の記憶だけは今もストレートに残っている。
”来たぜ!”
”ありがとう!”
それだけの言葉だったのかも知れない。
内容は違う祝いの宴だったが、ともに自らが築いた人生
最前線の花の席だった事は変わらない。
滅多に無い本当の祝賀会の余韻に耽りつつも、日々は
進んでゆく。
山田航さんが持参してくれた現代詩手帖7月号は、大半
が吉増剛造大特集だ。
全集を含む10冊近い新刊本もほぼ同時に出版され、東京
国立近代美術館の個展と相俟って総括、新たなスタート、
勝負の様相を見せている。
その草の根の一端が今ここに展示されている。
この展示は東京ー札幌の距離の肩越しに、オイ、オイと
彼の腕をどっ突く、細やかなお返しなのかも知れない。
*「石狩・吉増剛造 1994」展ー7月31日まで。
am11時ーpm7時:月曜定休(都合により水・金は午後3時閉廊)
:「声ノマ 全身詩人、吉増剛造展」-8月7日まで。
am10時ーpm5時:月曜定休。
東京都国立近代美術館ー東京都千代田区北の丸公園3-1
テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
tel/fax011-737-5503