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テンポラリー通信

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2016年 05月 06日

及川恒平さんの事ー鉄橋(23)

昨日及川さんと山田さんのライブ打ち合わせ。
「ひこうきぐも」ー見よ 今日もかの青空に 飛行機の高く飛べるを
(啄木)ーの主題を話し合っていた。
そこへ帰省中のD新聞社I氏が来る。
山田航さんとは旧知の仲だが及川さんは初めてと思い紹介する。
フォークの草分けのひとりで陽水、タクロー達と同じ時代の人だと
紹介した。
そして先日聴いた「みどりの蝉」のCDを見せた。
すると及川さんが、これは一度歌を止めた後再起第一作で自分
で作ったCDなんだ、と言う。
当時フォークソング界からも、お前の歌はフォークではない、とか
言われて、思うところあって歌から離れた時期があったという。
当時フォークソングは、反戦や四畳半的な社会性の濃い歌が
主流であったから、及川さんの歌にある北の風土に根ざした叙情
性豊かな曲・歌はあまり評価されなかったのだろう。
そうした中でもう一度歌を志し再起を誓った一枚がこのCDだった。
遺言とさえ思える一曲まで余すところ無く及川さんの心がこの一枚
のCDには詰まっている。
時代や社会ではなく、北の独特の季節感・風土という空気感である。
風土に根を下ろす叙情。
その透明な声は北の光と色を顕している。
及川さんの同意を得てI氏に「みどりの蝉」を聴かせた。
本人も多分通しでこのCDを聴くのは久しぶりだろう。
贅沢な時間だった。
同時に再起第一作となった今の原点を見詰めることは、及川さん
自身にも嬉しい貴重な時間だったと思える。
ブラキストンラインで植物の生態も異なる北の大地。
南の風土に根ざした本州中央の文化。
そこに北の風土に根ざしたと透明な色と叙情。
社会性や時代性を全面に押し出した歌曲ではなく、ひたすら自分の
生まれ育った空気の色を再現する。
絵画の八木保次・伸子さんのように、歌の音曲・声で及川さんはそれを
表現し続けている。
今回山田航と組む事で、ある時代性・社会性へも挑戦が始まっている気
がするのだ。

*及川恒平・山田航ライブ「ひこうきぐも」ー5月7日午後5時~。予約
2500円。

 テンポラリースペース札幌市帰宅北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
 tel/fax011-737-5503

by kakiten | 2016-05-06 15:01 | Comments(0)


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