「それぞれの八木保次・伸子」展展示完了。
ご遺族の高橋均氏所蔵の2点、友人の小杉山竜一氏所蔵の4点、
それに私所蔵の2点計8点の構成である。
作品の大きさも様々だが、制作年も様々である。
古くは今回初めて見る高橋氏提供の2点で、八木伸子1961年
制作の大作がある。
すでに絵の具が剥落しかけているが 紫を基調の吸い込まれるよう
な画面を保っている。
同時に八木保次さんの少し伸子さんの絵より小さめの縦の大きな
作品も、魅力的な大作である。、
小杉山氏の大作は八木保次さんのもので、これは桜満開のような
華やかな抽象である。
どれも北の風土が生んだ光の彩(いろ)を感じる。
それぞれ制作年代の違う作品たちが、今同一場所でそれぞれの作品
宇宙を編み込み、場を創出している。
作品を選んだ持ち主の世界がこの宇宙の横糸となり、作家の制作の
横糸に編み込まれているからだ。
おふたりの生前には決して見る事が出来なかった風景かもしれない。
しかし作品は、ふたりが生涯懸けて追求したこの北の地の光彩を見事に
留め顕在化している。
この地の風土が季節・季節一瞬燦めきのように見せる光・彩。
囲繞された有限の額の宇宙に無限の光彩を保っている。
吹き抜けの上の西窓から注ぐ日々の光の軌道は、撫でるように今優しく
光の彩(いろ)を顕在させてくれる。
そこには光の色彩の呼吸がある。
それぞれの所蔵作品を快く提供してくれたおふたり、高橋氏小杉山氏に
は、心から感謝する。
それぞれの八木保次・伸子。
作品を通して世界は紡がれる。
作品は生きている。
*それぞれの八木保次・伸子展ー4月22日(金)まで。
am11時ーpm7時:月曜定休(水・金のみ午後3時まで。)
*鼓代弥生木彫平面作品展「駅」ー4月26日(火)ー5月1日(日)
テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
tel.fax011-737-5503