搬出を終え白い壁だけが光っている。
プラス4度の陽射しが揺れている。
泡沫(うたかた)の夢の痕。
ふっとまた酒井さんの絶唱が蘇るようだ。
川の流れは淀む事無く うたかたの時 押し流してゆく
昨日は昨日 明日は明日 再び戻る今日はない
例えば君は待つと黒髪に霜の降るまで
待てると言ったが それはまるで宛名の無い手紙
場所それ自体は、ただの場所でしかない。
そこを埋める熱い人と作品があって、はじめて
<ともに-con>を共有する。
場所自体は、<temporary-とりあえず>な
存在なのだ。
吉増剛造展「怪物君 歌垣」そして高臣大介展「みつめあう。」
場の天と地を掘削し飛翔し世界へ触れようとする展示だった。
吉増さんは6月東京国立近代美術館で、高臣さんはアジア第二
弾上海へとその飛翔を続ける。
contemporaryなその軌跡を、発射台のこの場所
は、再び<とりあえずーtemporary>なspace
に戻って、暫しの静かなただの場に戻るだろう。
昨日は昨日 明日は明日 再び戻る今日はない
まだ余韻が残っているなあ・・。
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