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テンポラリー通信

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2016年 01月 06日

冬の遺書(Ⅱ)ー土(26)

吉本隆明の日時計篇162番目「冬の遺書」を
朗読する吉増剛造の録音を聞きながら思っていた。
吉本の詩を一字一字書き写し、時には二度三度と
写経のように筆耕し思いを重ねる。
この修行僧のような孤独な作業を経て、ふたりが
出会っている世界の回路は何か、と問う声だ。
日本戦後近代をある意味で代表するようなふたり
の天才。
その回路はきっと掌だなあ、と思う。
指先の手ではなく、宇宙を抱く掌。
吉増剛造の日時計篇筆耕もまた掌の仕事。
そしてその吉本の詩行を読み砕き、そこに文字を添え
色彩を与え言葉の声を発する。
まるで吉本隆明という食を咀嚼し自らの内臓で吸収し
エネルギーに変えようとしている。
この孤独で直向な作業の積み重ねが「怪物君」と呼ぶ
現在六百余葉に及ぶ草稿である。
テンポラリースペースで「ノート君」「怪物君」「水機ヲル日・・」
怪物君 歌垣」で4年続いた展示は、みなこの草稿を基と
している。
そこで今年6月に予定されている竹橋の国立東京近代
美術館の吉増展では、この吉増・吉本の怪物君部屋
が在ってもいいのではないか、と思えるのだ。
ポイントは、吉本の「冬の遺書」を朗読し語る吉増の
あの録音である。
これをトニカに吉本と吉増の怪物君ーY・Y小屋のイメージ
である。
Y・Yだから、今回の展示と同じように他の作家も入れる
展開が良い。
GOZOCINEも含めた吉本と吉増の掌(たなごころ)小屋
である。
これは折を見て提案しようと思う。

*吉増剛造展「怪物君 歌垣」-1月10日(日)午後5時まで。
 通常qm11時ーpm7時。
 :鈴木余位(映像)・村上仁美(花)・山田航(歌)。
 :フライヤー制作 中嶋幸治 酒井博史
 ;会場構成 河田雅文

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
 yel/fax011-737-5503

by kakiten | 2016-01-06 14:34 | Comments(0)


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