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テンポラリー通信

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2015年 12月 03日

杭打ちー土(8)

以前から反対運動を重ねていた高層ビル反対の伊藤邸
が音も無く何時の間にか消滅した。
高層ビル化、マンション化の着手である。
「緑の運河エルムゾーンを守る会」としてこの高層
化計画に疑義を唱え署名活動も行ってきた。
この地域一帯の湧泉(メム)と川・森。
その原風景を残す植物園ー伊藤邸ー偕楽園緑地跡ー
清華亭ー北大構内を札幌の緑の運河として捉え、その
森の代表的な樹木春楡(エルム)の名を冠してエルム
ゾーンと命名した。
かって札幌自体がエルムの都と呼ばれ、北大もまた
エルムの学園と呼ばれ、今もその頃使われたエルムの
鐘が北大農場モデルバーンに保存されているのだ。
今北大構内を流れる川の水源は、本来この伊藤邸の広大
な敷地の中で湧いた泉にあった。
北五条通りを挟んで広がる植物園と並び、札幌扇状地
の伏流水の非常に豊かな一帯である。
そして同時に国内外を問わず集った青年の近代の夢が
花開いた地域でもある。
多くの木造、石造りの建築物とともに、札幌の自然と
近代の夢の原風景が点在している。
そこに杭を撃つ。
最近偽装で問題の杭である。
本気で地中深く撃ち込むだろう。
その結果たださえ息絶え絶えの地下水脈はまだしても
破壊され、森の根、エルムの根、伏流水の分断を招く
に相違ない。
今湧いて流れているかに見える北大の川は、藻岩山より
導水して流しているものである。
メムという本来の自然からいえば、バーチャルリアリテ
イーの嵌め込み・合成自然なのだ。
それでも大倉山山頂から見下ろせば、緑の帯のように
くっきりとこのゾーンがビル群の間に延びているのが
見渡せるのである。
札幌駅から僅か数百メートルの一帯に、ゾーンとして
貴重な自然と近代が遺されている。
港町ではない内陸の町である札幌の、この緑の運河こそ
守るべき自然・文化遺産ではないのか。
何故そこに杭を撃つのか。
真に打つべき杭は、自然・文化の強固な岩盤ではないのか。
利益追求に溺れ真の岩盤を無視し、さらには思想・文化の
自然の風土という基底的な岩盤さえ無視している。
杭を打つーその行為の本質的な疑問が政治経済文化を問わず
あからさまに今問い質されている気持ちがする。

*吉増剛造展「怪物君 歌垣」-12月15日(火)-1月10日(日)
 am11時ーpm7時:月曜定休:正月3ヵ日休廊。
 :鈴木余位(映像)・村上仁美(花)・山田航(歌)。
 :フライヤー制作 中嶋幸治 酒井博史
 :会場構成 河田雅文
*高臣大介ガラス展ー1月後半前期・後期2週間予定。

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
 tel/fax011-737-5503

by kakiten | 2015-12-03 15:46 | Comments(0)


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