テンポラリー通信

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2015年 11月 20日

燃える・落葉ー土(2)

毬藻のように壁一面を覆っていた蔦の葉。
それが何時か緋色の衣となり燃える街角となっていた。
今は蔓だけが黒い静脈のように、壁の表面に浮いている。
移る時間・移る季節。
やがて間もなく白い粉雪が壁を覆うだろう。
自然の変化は記憶に刻まれて、一年を彩る。
それはその前と同じ一年ではない。
今年は壁から落ちた紅葉も水に濡れ美しかった。
壁に残る緋色と地面の緋色が、家屋全体を燃える門の
ように見せていた。
赤い落葉は風に吹かれ、それぞれに何処かで土へと戻る。
それが本来の有機的な自然の回路だが、街は落葉を塵芥と
してビニール袋に収納して回収処理する。
地上から浮かんで建っていた燃える街角は瞬く間に消えた。

ダイエーが消え、アメリカ屋が消え、五番館西武が消え
何とかが消えるように、その内そこに何が在ったかさえ
思い出せない、記憶に残らない街角が増えている。
落葉と同様に、落ちれば消去・処理される街角だ。
移りゆくのではなく、チェンジ・消去のリズムだ。
この場所に移って9年。
蔦が育ち燃えた束の間の風景は、街の時間と植物の内包
する時間の相違を深々と啓示して存ったと思う。

燃える街角 器の浪漫
かって私が25年いた前の街の闘う旗印。
それが声も無く文字も無く、この壁の痩せた蔓が今年
美しい姿で顕してくれた。
そんな気がする。

*吉増剛造展「怪物君 歌垣」-12月15日(火)-1月10日(日)
 am11時ーpm7時:月曜定休:正月3ヵ日休廊。
 :鈴木余位(映像)・村上仁美(花)・山田航(歌)
*高臣大介ガラス展ー1月下旬~2週間予定。

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
 tel/fax011-737-5503、、
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by kakiten | 2015-11-20 13:27 | Comments(0)


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