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テンポラリー通信

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2015年 11月 08日

二条市場界隈ー窓(20)

久しぶりに二条市場界隈を歩く。
斉藤周さんの個展を見る為だった。
Kギャラリーを探す。
DMの住所どおり4,5回周るが見当たらない。
記載住所は南3条東2丁目。
碁盤の目の町並みだ。
どう見ても間違いない。
諦めて帰ろうとして西側東1丁目に渡り、ふっと
見ると在った!
古い蔵のような建物を今風に改造して、2階が
展示室のようだ。
2階に上がると、白い壁が古い木の柱を繋ぎ張り
巡らせ会場となっている。
淡い色彩の作品が会場全体を漂うように揺れている。
誰もいないので、全体を見て椅子に座る。
白い壁に戸のようなものがあり、開けると壁の向こ
うに本来の石の壁と窓があった。
重厚で暗いけど、その分窓の存在感が際立つ。
この白い仮設の壁を取れば、屋根を支える木柱と梁
が軟石の壁とともに強い存在感を発揮するだろう。
きっと作品を置くには強過ぎるのかもしれない。

間もなく斉藤さんも来て暫し四方山話をして帰る。
帰路気になったので、二条市場の店主らしきひとり
に住所を聞いた。
ここ、東2丁目ですよね・・・。
違うよ、あの通りの向こうだよ。
やはり間違ってはいない。
それにしても町並みが変わった。
かって市場と倉庫と職人の町だった。
鉄工場や竹細工、亜麻の紡績工場、ビール工房
酒工房という大中小の生産加工の町だった。
今は創成川イーストとかいって、お洒落な消費中心
の界隈となっている。
その意味であの古い重厚な石造りの蔵と木の柱・梁
に張り巡らせた白い石膏ボードの壁は、今のこの界隈
に相応しいものなのかもしれない。
時間の蓄積を背景に退け、それを背後に今の使い勝手を
楽しむ。
正面から歴史と向き合わず、かと言って否定もせず
背後に添える。
横軸の緩い転調。
先鋭な矢印のような横軸ではなく、緩い横のテンポ。
このレトロな背景はそのブレーキの役割なのだ。
斉藤さんの作品は、その中で漂っていた。
ただ私が作家に求めるものは、縦軸のカルチヴェート
(足元を耕す)行為である。
それを作品に見たい。
創成川の開拓には、足元の湿地帯との闘いがあった。
その結果今に見る職人と市場の町が出来たのだ。
移動・移住・移民が、難動・難住・難民のような
心の湿地帯のような時代ではないか。
正にその闘いの歴史的最前線のような場所である。
最前線を呼応し共有して欲しい。

微かに残る市場の昭和の活気を背に、ウオーターフ
ロントを模ったモダーン創成堀を抜け帰路に就く。

*吉増剛造展「怪物君 歌垣」-12月15日ー1月10日
 :歌・山田航 花・村上仁美 映像・鈴木余位
 :会場構成 河田雅文
 :フライヤー制作 中嶋幸治・酒井博史

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
 tel/fax011-737-5503 、

by kakiten | 2015-11-08 16:15 | Comments(0)


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