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テンポラリー通信

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2015年 11月 04日

最終日曼荼羅ー空(17)

「Hopi」展最終日。
開廊一番、高足下駄の高臣大介さんが来る。
天川さん、スタッフの人が、目を丸くしている。
カチーナドールみたい・・・。
とは口に出さなかったが、そんな気がした。
話す内に、間がどんどん近付く。
今回の展示作業中、午後の陽光の煌めきが一瞬
彼の作品に宿り輝いたのを見た記憶が、初対面
の硬さをほぐしていた。
そこへ昨夜会った瀬川さんも来る。
この時間帯からこの日の怒涛のような最終日3日目
の渦が始まった。
大介氏は自らと風貌の似ているカチーナドールより、
火の精霊の人形が気に入ったと言う。
そうか、ガラス制作には強い火力が必要だ。
一度火災で工房を灰にしている経験だな、と思った。
瀬川さんは病身の母上の為に、母子のカチーナドール
に惹かれたようだ。少し興奮している。
そこへ写真家の藤倉翼氏が来る。
ここの写真ブログtemporary photo撮影
に来てくれたのだ。
毎回撮ってもらっているY氏が体調崩し今回撮影出来
ないので私が依頼したのだ。
しかし同時に翼氏にも今回の展示は見て欲しかった。
この辺から互いを紹介し入り乱れてもう記憶が定かでない。
とにかく夕刻の閉じる時間には、ジャンベの太鼓演奏が
二度三度に渡って、会場に鳴り響いていた。

僅か三日間の、短いしかし熱い展示を終え別れの時が来た。
それまで流れていたHopi縁の曲を、ジョンルイスの
バッハと最後にHopiへの感謝の気持ちでサッチモの
ワンダフルワールドを流した。
ささやかな今回の展示へのスタッフへの気持ちであった。
すると本当に最後に天川さんが箱を持って近寄り黙って
手渡してくれる。
カチーナドールだった。
迷いや困難から正しい方向へ導く精霊OGREだそうだ。
そしてこの贈り物は私というよりも、ここで会った多くの
忘れ得ぬ友人達みんなの為に置かれる物と感じた。
贈呈の記念撮影をしOGREの由来を聞きながら、私に
今困難はあるけど、迷いは無いなどと憎まれ口を呟いていた、

このOGREのカチーナドールは今談話室の入り口正面の
「石狩 みちゆき 大野一雄」のポスターの上に飾られている。
その正面右の棚には、本当にこの20年余迷いと困難を共に
してくれた脱毛のカチーナドールが前と同じ場所に立っている。


 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
 te;/fax011-737-5503

by kakiten | 2015-11-04 14:58 | Comments(0)


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