テンポラリー通信

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2015年 10月 09日

時を超えてー空(2)

宇部ビエンナーレ展出品初日を終えて、谷口顕一郎
さんが来る。
6月の佐佐木方斎新作展で彼の問うた一言
”なぜこうゆう流れになるの?”が、今回の展示の起爆剤
となった。
それが色彩を試みた42年前の最初の期未発表作品を見せ
たいという方斎の心の火種となったのだ。
明日ベルリンへ帰国する谷口さんが、宇部から敢えて札幌に
戻ったのはその所為でもある。
入り口の戸の開く音が微かにして、声が奥の談話室まで
響いた。

凄いなあ~、一つずつの色が・・・。
一点づつ見たいのに、他の作品が引き寄せ入り込む。

両眼の目尻に両掌を立てながら呟いている。
2階の作品も含め全て見た後、特に好きだと3点指さした。
彼の中で、何かが弾けているようだった。
それを感じたのか、方斎も何時もにないテンションで作品
を熱く解説している。
奥の談話室に入り、話はそれぞれの若い時代の武勇伝に
始まり時代世代を超えたヤンチャなふたりの素顔が輝いて
いる。
その時同席していたさらに上の世代の建築家のK氏もまた
嬉しそうに同調する。
反骨・ヤンチャアの三人が見る見る世代時代を超えて、今
現役の顔となる。
42年前の作品の魂が、三人に乗り移ったかのようだ。
そしてこの三人のハイテンションの根には、今回展示の
作品が保つている熱い水蒸気の熱があるのだった。
作品の前で伝染し燈った熱波はもうどんな話をしても、
その奥底で同じ熱を発して止まらない。
明日出発の用意もあり、閉廊時間前に谷口さんが帰った
後、方斎氏とK氏は暫し酒を飲み次なる居酒屋へ向かう。

後片付けをしていると、美術館の学芸員H氏が来る。
こちらも感嘆しきりである。
谷口さんもK氏もH氏も何を感じ何に高揚したかは、言葉
には未だならない。
ただ心が高揚しその後の話し全てにその熱が伝播してあった
事は紛れも無い事実だ。
今朝ドイツへ向かう谷口ケンちゃんからメールが届いていた。
少し落ち込んでいたけれど昨日は勇気を頂きました、感謝です
という内容の伝言だった。
帰り際置いていった瀬川さんの作品からインスピレーション
を貰った彼の新作を眺めながら、作品と作品が結ぶ人間の
純粋な関係を眩しく感じていた。
良い時間だったなあ。
彼の出来立ての新作は、瀬川葉子作品を通して従来にない炎の
ような造形が凹み彫刻に顕われている。
凹から凸に彼の凹み・亀裂は深化している。
それはきっと今回の佐佐木作品によっても、心の凹から凸へと
インスパイヤーされたのは間違いないのだ。
作品が作品を生み、作品が作家を奮い立たせる。
そんな純粋な魂の時間を経験に人は去り、人はまた出会う。
人の間の様々な時空を超え、作品は存在し新たな時空を生む。

方斎よ、本望だろう・・・。
君の封印された42年の時空は開いたのだ。

*佐佐木方斎展「Housai’s Early works-1972~1974」
 ー10月6日(火)-18日(日)am11時ーpm7時;月曜定休。
*及川恒平・山田航ライブ「こえのあるいっとき」-10月25日(日)午後5時~
 2500円(予約)
*HOPI「sun&rain」-10月30日ー11月1日

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
 tel/fax011-737-5503
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by kakiten | 2015-10-09 13:39 | Comments(0)


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