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テンポラリー通信

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2015年 07月 26日

一週目の終わりにー窓(12)

今日で瀬川葉子展も会期の半分を終える。
作品・人と出会いの多い一週間だった。
作品が人の心に入り、人が胸襟を開く。
そして自分の心の大切な事を語りだす。
身辺の小さくても大切な悩み・喜び・メッセージ。
人それぞれの生きている真ん中に触れて、発する言葉。
作家不在の時にも、作品を通して開いたその言葉を私は
聞いていた。
そして何といっても圧巻は昨日の加藤玖仁子さんのレク
チャー提言だろう。
話の中で不意に、ふっと口走ったここでのレクチャー
提案は、時間とともに嬉しく重く感じる。
今の場所に移転してから、陰ながらどれほどお世話に
なった事だろう。
ここでのレクチャーが実現すれば、それはこの場所の
陰の応援から表へと立つ意思表示でもあるのだ。
瀬川さんも喜んで、目を円くしながら絶対に手伝うわ
と感激していた。

写真家のM氏が二度目の訪問で来る。
一度目は他に人も多くいて、かつ予想外の初めて見る作品
への感動から、もう一度ゆっくり見る為に来たと言う。
幸い今日は誰もいなくて、ゆっくりじっくり手に取り多くの
作品を見ている。
ファイルという展示名は良いなあ、と呟いていた。
作品の収納する方法の在りかたを一言でファイルと名付けた
と思われるが、それにもM氏は感心しているようだ。
これは立体で一種の彫刻だなあ、とも呟く。
日常のある風景の中に光彩を取り入れ写真を撮るM氏と瀬川
さんの視点はどこか共通する点もあるから、彼には深く感じる
ものがあるのだろう。

M氏がまだ未練を残すような視線を残して帰った後、成清君
と見間違える青年が来る。
息子です、と言う。
あっ、瀬川さんの息子さんだ!
旧姓時代から今の瀬川さんを見ているのだが、こうしていきなり
大きな息子さんが現れると、その時間差が人間の形をして具体的
になり驚く。
後から来た瀬川さん自身も他の見知らぬ客と見間違え、あら!
と驚いていた。
私とすでに少し親しく話し、場に馴染んでいた息子氏は、家で
見るより大人びて見えたのだろう。

谷口顕一郎さんが来る。
見るなり興奮しているのが分かる。
その内会場左のコーナーの椅子に座り本格的に作品を見出した。
一点を選び購入したいという。
この形を自分の凹みの彫刻に仕上げたいと話す。
秋にはその2点をここに持参し展示したいと言う。
瀬川さんは本当に嬉しそうだ。
自分の作品が他の自分より若い作家の制作動機になるなんて
作品のエネルギーが伝わってふたりはそれまで無かった新た
な回路を結んでいる。

作品が人と人を結び新たな世界を生んでいる。
親子も友人も先輩後輩も未知の人も含めて、世界は新鮮に
開かれる。
良い時間だった。

*瀬川葉子展「FILE」-8月2日(日)まで。
 am11時ーpm7時:月曜定休。

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
 tel/fax011-737-5503

by kakiten | 2015-07-26 18:31 | Comments(0)


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