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テンポラリー通信

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2015年 07月 18日

新幹線・五輪・新競技場ー窓(7)

国立競技場が白紙撤回になり、一連のドタバタ劇が一から
やり直しとなった。
東京オリンピックなのに、国が前面に出ている。
東京=国の首都=国家・政府という構図なのだろうが、
その分責任主体がバラバラだ。
最初にデザインを決めて、そこを金科玉条にする。
一番良いところをのみ強調して他の不都合には目もくれない。
これは新幹線も五輪開催も同じ構造で展開されている。
新幹線ならその最高時速のみを強調し、他の減速状況は考え
ずバラ色の速度ばかりを強調する。
その速さの効果に群がって新しい建設が集中する。
オリンピックも同様で競技者の速さ・強さを見る為に、多くの
新しい競技場や都市開発が群がる。
一種の全体主義・ファッショのような象徴万歳一点なのだ。
従って個の主体性は埋没し、責任もまた分散して見えなくなる。
山に例えれば頂上の高さだけが強調され、山の頂に続く中腹も
裾野も忘れて山を語るようなものだ。
新幹線も何時も最高時速で走る訳ではない。
競技者も何時も世界記録を出す訳ではない。
速度制限の所もあれば、人間不調の時もある。
最高時だけを競うのであれば、それは一般には程遠い特殊な
テストコースのような場所だ。
その特化した頂点を競う場の為に、裾野や中腹を捨象する多く
の改造が仕立てられる。
競技場・新駅の建設、それに伴う周囲の市街地改造。
かって札幌冬季五輪の時もバラ色の都市改造が進められ、今
誰も振り向かない廃墟のような施設は草に埋もれている。
さらに一度廃止した路面電車の路線をまた復活するという無駄
も進んでいる。
地下街と高層ビル街に市街地再開発し、旧来の公共交通電車の
多くの路線は姿を消したが、今またその一部を戻そうとして
駅前通の工事が始まったからだ。
高水位な地に立つ春楡の街路樹を大規模地下通路施設の影響で
取り外し、地下茎の浅いオオバボタイジュに変え、エルム(春楡)
の都と呼ばれた札幌独特の風景を喪失してきたのだ。
五輪という金科玉条の為に、些細な日常は切り捨てられ、速さと
強さを競う一握りの特別な競技者の為に身を削ってオモテナシする。
何時も最速・最強ではあり得ないのに、そこを下回る日常風土を
除去する一種の頂点ファシズムには気を付けなければならない。
安保法案の衆議院強行採決で、戦争への参加危機が懸念されて
いるが、同時にこうした意識上の全体主義的傾向こそが戦争へと
突き進む土壌ともなるのだ。
頂点のあらぬ理想ばかりを見詰めて、裾野・中腹の穏やかな日常
を捨象する危険だ。

酒井博史さんが優れた新幹線の考察をフェースブックに載せている。
最高時速のみ強調のまやかしを微細に検討し、論破している。
あまりフェースブックに相応しない長文の硬派の論だが、見事な
一文である。
最高速度の強調で結ばれる頂点とは、東京である。
そこと地上最高速度で繋がって、札幌は裾野・中腹をスリム化し
たスカイツリーかタワーのような東京直線風土となるのだろう。
それは風土とはもう言えない、亜東京、東京’、東京都札幌区。
そして札幌は北海道の東京として、道内の他の地方にタワー化スカイ
ツリー化する構造となる。

気持ち悪い話だ、

+瀬川葉子展「FILE」-7月21日(火)-8月2日(日)
 am11時ーpm7時:月曜定休。

 テンポラリースペース札幌市北区北16条西5丁目1-8斜め通り西向き
 tel/fax011-737-5503

by kakiten | 2015-07-18 14:47 | Comments(0)


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